読初観創
読初観創とは、初めて読んだ小説を観察し、呟き尾形が独断と偏見でそれについて評価するというコーナーです。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑)
著者:山口宏
|
著者:狩野あざみ 出版社:徳間書店 簡易的な紹介: 1997年の香港を舞台とした長編時空アクション小説で、小説の世界は黄龍の夢であり、その黄龍は人間に転生し、世界を実体験している。人間でいる間、黄龍は黄龍としての記憶は無い。 黄龍の目覚め(覚醒)は夢の終わり、つまり、世界の終わりを意味している。その眠りを守るため、黄龍は四神である青龍、朱雀、白虎、玄武を創りだし、黄龍の眠りを守らせるようにした。 だが、皮肉にも、人間の伝承には、黄龍を目覚めさせる事は、なんでも願いをかなえさせる龍であると伝わっていた・・・。 長編小説全7巻。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:6 部分部分は面白いが、全体を通すと、最後にもう一ひねりが欲しいところ。 起承転結の「起」「承」「転」までよいのだが・・・。 ★キャラクター:9 主人公の工藤秋生はともかくとして、影の主人公、青龍、ビンセント・青(チュン)。彼は、普段は冷静な紳士なのだが、黄龍の眠りを守るためならば人類が滅亡しても構わないという過激な忠義者を始めとして魅力的な登場人物は多数。 後先考えない行動派、黙っていれば美女で通る外見からは出来ないはねっ返り娘、身軽さは中国雑技団もビックリの朱雀を司るセシリア・朱明(チュ―)。 見るからに悪役、外見はターミネーター顔負け。武器操作と車、ヘリコプターなどの操縦技術のプロフェッショナル。ヘンリー・西(サイ) おどけながら、美味しいところをかっさらうじいさん。玄武を司る、玄冥(ゆいみん) などの登場人物の個性と魅力は、一読の価値あり。 ★人間関係:5 せっかちなセシリアといつもマイペースな秋生の起こすトラブルのフォローを次々処理していく、いつも暴言と皮肉のやりとりをしているビンセントとヘンリーの関係が魅力的ではあるものの、他は目を見張るものが無し。 ★描写:9 スゴイ! まるで、香港映画を見ているようなアクション描写は、目を見張るものあり。ただし、それ以外の描写はいまいち普通。 ★背景:6 簡易紹介にあったような設定意外はすべていまいち。 ★リズム:8 文章のテンポは良いけれど、それも部分部分。アクションシーンがないと、単調なリズムが眠気を誘う。ただし、アクションシーンになると急にテンポが良くなり読みやすくなるのは気のせいか・・・。 総評 面白いッス。特にアクションシーンの描写とキャラクターの魅力だけでも一読の価値あり。それだけに、やっぱりもう一ひねり欲しいところ。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:金庸 出版社:徳間書店 簡易的な紹介: 江湖と呼ばれる、「官」に対する「野」の世界、つまり武芸者や盗賊たちの世界のなかに、武林と呼ばれる、武術界がありまして、そんな、武林の門派の勢力争いの物語。といってしまえば、乱暴ですが、愉快痛快豪快といわんばかりの物語です。 なんと言っても、豪快な主人公(?)の令孤冲。腕が立つと言うより、弁が立ち、自分よりも強い敵を煙に巻いてしまうのは痛快です。弁が立つというと、ちょっと豪快というイメージは出てこないでしょうが、その駆け引きの大胆さと、強い信念に魅了されてしまいます。 全7巻の大作の1巻〜2巻 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:6 1巻は登場人物の紹介的意味合いがあったせいか、主人公の令孤冲よりも、周りの登場人物が目立ちましたが、2巻は小説の主人公らしく、令孤冲中心のストーリー展開でした。 でも、1巻での怪我を引きずって踏んだり蹴ったりの主人公でしたけど・・・。 ★キャラクター:7 主人公(?)の令孤冲は魅力的だし、それを取り囲む登場人物も、まるで水滸伝を読んでいるような、仁侠の人だし、対する敵はずるがしこい人物で、今後のからみがたのしみ。 でも、個人的には、いかにも、若旦那という、いきなり、家が襲われた悲劇の坊ちゃん林平之が好きだなぁ。 ★人間関係:4 登場人物が20人以上。さすが、中国の小説。まだ、把握しきれないところあり。 ★描写:7 格闘シーンの描写は素敵。でも、それよりも、常に駆け引きを含む会話に緊迫感があって、あきさせない。 でも、翻訳本の辛さか、ちょっとわかりづらく感じる。 ★背景:6 さすが、中国小説。壮大です。 ★リズム:8 会話と、戦闘描写のテンポは抜群。 特に「●●の構えで応戦した」というのは、なんかだかわからないけれど、わくわくした。 総評 ただ、全7巻中、まだ2巻までしか読んでいないのでなんともいえないなぁ。でも、この先どうなるか気になる作品。令孤冲のさらなる活躍に期待ですね。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
読初観創:ハリー・ポッターと賢者の石
ハリーポッターと秘密の部屋
ハリーポッターとアバズガンの囚人
著者:J・K・ローリング 出版社:静山社 簡易的な紹介: なんったって、ハリーポッターです。 世界的に有名な作品。ということで、名前ぐらい聞いたことがある。という人はいるのではないでしょうか? どこがすごいか? それは、活字離れしていると言われている子供たちを魅了するところにあります。 で、結局どんな物語か? それは読んでからのお楽しみ。といいたいところですが、それじゃぁ、紹介になりません。というところで、内容のつまったこの物語の簡易的な紹介をいたします。 主人公のハリーポッターは孤児。そんなハリーポッターが引き取られたのは、伯父のダーズリー家。このダーズリー家の人々は、ハリーポッターに意地悪ばかり。 そんな、ハリーポッターが11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校から入学許可証が届く。それがきっかけで、ハリーポッターは自分が魔法使いの子供であり、邪悪な魔法使い、「例のあの人」と名前を言うのも恐れられるヴォルデモートを倒したことを知る。 そして、ハリーポッターは不思議な世界へ入踏み出したのです。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:10 なんと言えばよいのでしょう。読んでいるとワクワクします。やっちゃいけないといわれれば、規則を破るし、どうしようもないピンチは機転を利かせて切り抜ける。 なによりも、ホグワーツ魔法学校という、一種の異世界ならではの常識をからめたストーリー展開は面白いです。 ハリーポッターと賢者の石、ハリーポッターと秘密の部屋、アバズガンの囚人ともども、あっと驚く展開です。 ★キャラクター:10 主人公のハリーポッターをはじめ、登場人物はみな、個性派ぞろい。なんといっても、結構登場人物が多いはずなのに、役割がダブっていないところがすごい。 いやみなやつは、とことん嫌なやつで、手放しで憎たらしく思えるし。 ★人間関係:9 登場人物が多くて、最初は混乱するものの、覚えてしまえば、個性溢れる登場人物ばかりです。それだけに、人間関係も複雑ではありますが、それもまた魅力になってしまうのがハリー・ポッターのすごいところです。 ★描写:8 原作が英語だったためか、言い回しが変なところはありますが、うまい描写です。 軽快なテンポで読みやすいですし、子供に読んで聞かせてあげたいくらいですね。 ★背景:10 作品の中でも魔法使いの社会と人間の社会が良く比較されていて、クィディッチという、摩訶不思議なスポーツや、トレーディングカードの中の写真は動くわで、魔法使いの社会という異世界なのにしっかりしていて分かりやすく説明されています。 ★リズム:10 文章のテンポがいいです。読んでいるだけで、次に読み進んでしまう軽快さです。本を閉じるのを忘れるくらいです。 総評 とにかくお勧め。読んで損の無い名作です。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:ル・グウィン 出版社:岩波書店 簡易的な紹介: ゲド戦記。σ(^0^) にとって、ある意味、衝撃的な小説でした。 ゲド戦記というのは、ハイタカと呼ばれる、天才魔術師の生涯の物語ですが、そこには、人間が生きる上で必ずぶつかる心の壁を見事に描ききった小説でした。 1巻の「影との戦い」は、若者が自らの傲慢から呼び起こした自分の影と戦いそして、解決する様は、青年から大人になる葛藤が描かれています。 2巻の「こわれた腕環」は、テナーという女性が半ば主人公として描かれ、女の子の心が大人の女の心に成長していく様が描かれていました。 3巻の「さいはての島へ」は、ハイタカが年老い、大賢者となり、アレンという若者と世界の危機を救う物語の中に、老いた者の役割がそこに描かれていました。 4巻の「帰還」は再び、テナーが登場し、魔法使いとして、力を失ったハイタカとの最後の戦いを通して、老いた女性のあり方が描かれていました。 ゲド戦記の舞台はアース―シーという架空の世界で広げられ、アース―シーではすべてのものが本当の名前をもち、その真の名を知るものは、それを支配できる。それが魔法の根源です。 人間もまた成人することで真の名を与えられ、ハイタカの真の名がゲドなのです。 ゲド戦記はゲドの心の戦いの記録だといっても過言ではありません。 そして、その心の戦いは、程度の差こそあれ、私たちにも訪れるものなのです。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:10 全4巻というゲド戦記は正直な話、2巻と4巻は私にとって楽しいものではありませんでした。 それは、上記の簡易的な紹介にあるように、女性にとっての心の戦いが主だったものだったかもしれません。 しかし、4巻すべてを通して、ゲドという男の生涯の記録の書として考えたとき、その物語のすばらしさは口では語りきれないものがありました。 ★キャラクター:5 魅力的な登場人物はいるものの、正直、活かしきれていないように感じています。 ★人間関係:6 人間関係というものよりも、ゲドあるいはテナーの心の葛藤から、人間関係が浮き出されているように感じました。 ★描写:4 物語はすばらしいのですが、描写は翻訳であるため、分かりづらいところがしばしばありました。 ★背景:8 魔法の設定、アース―シーの世界という背景は良く出来たものでした。 ★リズム:4 描写も分かりづらかったのもあるのですが、σ(^0^) にとって、間延びしたテンポで、時折読むのが苦痛になることがありました。 総評 描写とリズムは低い点数ではありますが、それを補う、ゲド戦記のストーリーとメッセージ性は類を見ません。 ゲド戦記そのものは、児童書として扱われていますが、何かを忘れかけたときの大人が読むのには最適な物語だと思います。 質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:松岡圭祐 出版社:小学館 簡易的な紹介: 最初は、何の気なしにとった本ですが、催眠という怪しいタイトルからは想像できない理路整然とした内容は一読の価値あり。 一般的に誤解されているうんくさい催眠と、カウンセリングなどで実用的に使われている催眠の違いが明確にかかれていて、勉強になりました。 催眠のメカニズムを知りたいと思う方は、「催眠」という物語を通して学ぶことができると思います。 同タイトルの映画「催眠」の原作ということになっていますが、どうも、内容がまったく違うらしいです。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:6 先を予想させない展開が良かったと思います。 ただ、大きく分けて3つの話が平行して進んでいるようですが、それぞれのストーリーの連結が今一歩。結局別々のエピソードだったらしいです。 ★キャラクター:5 主人公の嵯峨には今一歩魅力を感じません。 読者に対する、催眠という技術の講師のような存在に感じられました。 ★人間関係:4 大きく分けて3つの人間関係があるようですが、最終的に一つにまとまることなく、 部分、部分は良く描かれているように感じるのですが、医療カウンセリングセンターの職員を通したばらばらの人間関係がどうも把握しづらかったです。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:松岡圭祐 出版社:小学館 簡易的な紹介: 上記に紹介している催眠が面白かったので、続編の千里眼に手を出しました。 続編といえば、主人公が同じであるはずなのに、今度は岬美紀という女性が主人公。 この岬美紀という女性がカウンセラーなのですが元自衛隊の戦闘機のパイロット。その 上、拳法の達人という。、マンガに登場するようなスーパーレディーなのです。 そんな岬美紀の登場シーンは印象的で、主人公の魅力を十二分に見せてくれます。 さらに、千里眼は3部作で、千里眼、ミドリの猿、運命の暗示と連続したドラマになっています。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:9 先を予想させないスピーディーな展開が良かったと思います。 意外な結末にはあ、っと驚かざる得ません。 ★キャラクター:9 催眠とは裏腹に、主人公の岬美紀の可憐でやさしい最強のカウンセラーの魅力は抜群です。 ★人間関係:7 主人公の岬美紀を中心に、師弟、職務上の元上司、カウンセリングを受けざる得なくなった 子供とその家族の関係が程よく絡み合っていました。 ★描写:8 催眠と比較すると、別人が書いているのではないかと思えるほど、ビジュアル重視の描写 でした。 格闘シーンは見習いたいですね。 ★背景:10 催眠の専門知識を背景にしている。と考えると、とてもしっかりした背景でした。 ★リズム:6 テンポ良く読めるのですが、時折、リズムを崩すことがあり。 総評 面白いです。すべての現象を科学的(心理学的)に分析し、理路整然とした解説は見事でした。 先の読めないストーリー展開は、良い意味で裏切られつづけ、読んでいて爽快感を感じます。 ただ・・・。最後がねぇ・・・。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:高畑京一郎 出版社:メディアワークス 簡易的な紹介: 友人の勧めと、嫁さんから進められて読んだこの小説。 正直、あまり気が進みませんでした。そのせいもあり、結構辛口だとおもわれます。 というより、σ(^0^) の中で、小説と認めたくないんでしょうね。 内容は、平凡な女子高生が記憶を無くし、やっと見つけた手がかりが、なぞめいたことが書いてある自分の日記。 内容は”あなたは今、混乱している。高松君に相談しなさい・・・” と、過去の自分が今の自分を知っているような文章で始まっていた。 少女は半信半疑で、過去の自分の記憶をさがすはめになる・・・。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:5 いや、仕組みは悪くなかったんですけどねぇ。 もう少し活かせたかなぁと。 タイムスリップのアイディアは面白いんですけどねぇ。 ★キャラクター:2 小説の登場人物としては、あまりにもフツウ。 ★人間関係:3 ヒロインと補佐する男性が親密になっていく。 小説の中の人間関係としてはあまりにもフツウ。 ★描写:1 描写、少なすぎだと思います。 σ(^0^) は小説と認めたくないですね。 ★背景:3 タイムスリップのアイディアは面白いけれどそれ以外は何も無し。 ★リズム:6 改行が多いせいか、読みやすいのはたしか。 総評 タイムリープで光るものがあるとすれば、タイムスリップを利用したSTORYの仕掛け と会話のテンポだけ。 それが無ければ読むのをやめていました。
質問、感想などは、呟き堂の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) |
著者:村上春樹 出版社:講談社 簡易的な紹介: 1995年3月20日。東京は歴史上類を見ないテロ事件が発生しました。 いわゆる地下鉄サリン事件です。 村上春樹は、この事件を知らされ、いったい、事件当時、なにがおこったのか? ということについて強く疑問を抱いていた。 村上春樹は、小説というフィクションを用いず、被害者とのインタビューを行い、地下鉄サリン事件 によってもたらされた事実を1冊の本にまとめたのが、アンダーグラウンドです。 可能な限り、インタビューの内容は忠実に紹介されています。 地下鉄サリン事件で一体何が起こったのか、そして、不運にも現場にいた被害者たちが語る事実 は衝撃的です。 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:−− 小説ではないので、STORYというものは存在しません。 あるのかもしれませんが、ここで求めれれているSTORYはありません。 ただ、多くの人のインタビューを読んでいくことで、個々のインタビューの内容がつながっていきました。 現実に合った同じ事件を体験しているわけですから当然と言えば当然ですが、それを読者である私に 実感させてくれました。 ★キャラクター:10 インタビューするうえで、インタビューを受ける方々が、克明に記されています。 キャラクターというには、違うと思いますが、実際に存在する人ですからリアリティーは当然あるわけで すが、村上春樹がインタビューをする上でその人の紹介をすることで、被害者Aなどではなく、地下鉄サ リン事件の被害者の●●さん(仮名の方もそんざいしましたが)そこに存在しました。 ★人間関係:10 インタビューを受けた方の人間関係が克明に記されています。 現実にいるかただから当然ですが、そこに現実感が存在し、生きた人間関係がかかれていました。 ★描写:−− 小説ではないので、ここで求められている描写はありませんでした。 ただ、実体験に基づいた言葉は印象的でした。 ★背景:10 実際にあった事件ですから当然ですよね。 ★リズム:7 原則として、インタビューで話された言葉ですから、読んでいて心地よいリズムやテンポというものは ありませんでした。 ただ、不思議と読みにくかったということはなかったのがさすが村上春樹と言うところなのでしょうか。 総評 アンダーグラウンドは、小説ではないため、本来、このコーナーの対象外の本になるはずでした。 |
著者:マイクル・クライトン 出版社:早川書房 簡易的な紹介: 映画で有名なジェラシックパークの原作です。 事件の発端は、血まみれの少年が片田舎の病院に連れられてきたことから始まります。 医者はその少年を猛獣にかまれたものと判断しつつ治療しますが、少年はラプトルと謎めいた言葉を残し他界します。 この事件は、物語の恐怖のほんの始まりでしかありませんでした。 そのころ、島では未曾有のテーマパーク、ジェラッシックパークの開園が間近になっていました。 創設者、ハモンドは各方面の専門家の顧問団をジェラッシックパークの視察のため呼び出したのです。事件はそこから始まります。 ジェラシックパーク。人の手により完璧な管理をされているはずの「恐竜の王国」・・・・ 評価項目 ストーリ:小説のストーリー性 キャラクター:登場人物の個性と魅力 人間関係:登場人物同士の関係 描写:文章の描写 背景:小説の時代背景や裏設定の細かさ。深さ。 リズム:全体的な文章の読みやすさ(?)なのかな・・・。 ★ストーリ:7 科学的な裏づけに基づくストーリー展開は見事。 ★キャラクター:5 各キャラクターの個性はもう少し出ても良かったかも。 個人的には数学者マルカムは好きでしたけどね。 ★人間関係:5 いまひとつ、登場人物同士のからみが欲しかったように感じます。 ★描写:7 恐竜の描写は見事。現代では存在しないはずの恐竜が、小説の中で生き生きとしています。 ★背景:10 遺伝子工学とカオスという裏づけが、小説のリアリティーを強くかもし出しています。 ★リズム:3 どうも、翻訳本は日本語のリズムが変ですね。 総評 なんというか、科学の背景が強力なので、恐竜が現代によみがえるというFictionにものすごいリアリティーを感じさせられます。 |
後日、追加予定アリ。ご期待ください。それではまた(^^)/