ホーム > 目次 > 介護士初任者研修ノート

人権と尊厳を支える介護




人間の尊厳と自立

 

高齢者の自立支援

 
老いることは生きることである。
 96歳のあるカナダ人老哲学者の語った言葉。。
 人間は生物である以上、老いる存在だ。
 したがって生きることは老いることであり、同時に老いることは生きることになる。
 人間は意思を持った存在である。
 意思を実現するために行動を積み重ねることが人生だといえる。
 そして、自分自身の望みを実現することに幸福を感じる。
 したがって、年老いてからも、自分の意思で決定し、自分が望むような生活を送
ることは、誰にとっても重要なことである。
 しかし、高齢期になると、心身の機能が低下するため、高齢者が自立した生活
を送る為には、高齢者個人の努力だけでは、げんかいがあり、高齢者が望むよ
うな生活を送れるようにするためには、社会的な支援が必要になる。
 この自立支援の為の社会制度として、介護保険制度や成年後見制度などがあ
る。


 
自立(自律)の意味

 
 自立とは、他から支配を受けずに存在すること。
 自律とは、他から支配を受けずに自分自身の規範に従って行動すること。
 自立も自律も他から支配をうけないということになる。
 つまり、自己決定が自律であり、それをじっせんするのが自立である。

 自立には、人格的な自立だけでなく、経済的自立、社会生活における自立もある、
 自立の考え方の基盤には、個人を尊重するという考え方がある。
 つまり、差別を廃止し、障害者も普通の人と同じように生活できるような社会にす
べきであるということです。

 現代では、ノーマライゼーションは、障害者に限らず、高齢者や病気の人など何
らかのハンデキャップを追った人にまでその対象まで拡大され、これからの人々が
普通の人と同じように生活できるようにしていくことを意味するようになっている。

 エンパワメント
 利用者維新の力に着目した支援方法




 
ノーマライゼーションの意義

 
 ノーマライゼーションとは何か?

 高齢者や障害者が普通の人と同じように、普通の生活ができるようにすること、ない
しはそのようにすべきだとする思想をノーマライゼーションという

 
バリアフリーとユニバーサルデザイン

 
 バリアフリー
 スローブやエスカレー手―の設置などによって、障害者などハンディキャップを負った
人々にとって障害(バリア)のない利用しやすい仕様にすることを言う。
 物理障害に限らず、高齢者や障害者が支障なく自律した日常生活や社会生活を送れ
るよう、心理的、社会的、制度的障害、さらには、情報の障壁などすべての障害を除去
するという、より広い意味で用いられるようになっている。

 ユニバーサルデザイン
 ユニバーサルデザインとは、障害の有無、年齢、性別、人種などにかかわらず、多様
な人が快適に利用できるデザインを意味する
 ユニバーサルデザインの7原則
1・だれにでも公平に利用できる。
2・使う上で柔軟性に富む
3・使い方が簡単で分かりやすい
4・必要な情報がすぐに理解できる
5・単純なミスが危険につながらない
6・身体的な負担が少ない
7・接近して使える寸法や空間になっている

 
個人の尊厳と憲法

 
 個人としての尊重
 日本国憲法では、第13条で、すべての国民が個人として尊重されることを宣言し、同時
に国民には生命、自由および幸福対雄に対する権利(幸福追求権)があることを定めてい
る。
 また、憲法第25条では、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を
有すると定められ、国民の生存権を保障している。


個人の尊厳と介護保険制度

 
 高齢者の尊厳を支える介護保険の仕組み
  1)高齢者の選択による利用者本位の制度
       介護保険制度の目的は、要介護、要支援状態になっても、高齢者ができる限り自立した
   生活を送れるようにその自立を支援し、高齢者の尊厳ある暮らしの実現を支援すること
   にある
  2)自立を支援する保健医療・福祉サービスの提供
    地域密着型サービスという新しいサービス群が創設され、在宅で介護サー
    ビスを利用しながら必要に応じて止まりのサービスも受けられる小規模多機能型居宅介
    護や、在宅でも夜間対応型訪問介護などさまざまなサービスが導入され、在宅でも、施設
    と同じようなサービスがうけられるシステムづくりが目指されている。
  3)介護支援専門員による支援
       高齢者サービス選択を支援するために、介護支援専門員(ケアマネージャー)の制度を設けた。
    ケアマネージャーとは、高齢者が必要な保健医療、福祉サービスを適切に利用できるよう、そ
    の心身の状況や生活環境、本人および、家族の希望などを勘案し、利用するサービスについ 
    て居宅サービス計画に基づいた医療、福祉サービスを受けられるようにサービス事業者などと
    連絡、調整を行う介護支援の専門家のこと。
  4)地域包括ケアの推進
    介護保険法第五条3項により、すべての市町村は地域包括支援センターを設置し、地域密着
    型サービスを整備し、地域包括ケアの推進を努めなければならない。
    地域包括ケアにより、高齢者ができる限り住みなれた地域で自立した生活を営むことができる
    よう、医療、介護、予防、住まい生活支援サービスが連携が求められる。

 

 
 介護保険法の具体的な定め

 1) 尊厳保持の明記
    介護保険法は、第1条で、介護保険制度の目的を、要介護等高齢者の尊厳の保持にあることを
    明記している。
    
 2) 人格尊重義務と忠実義務
        介護保険法第74条6項で、人格尊重義務として、事業者に対して要介護者の人格を尊重しなけ
    ればならないことを義務付けている。
    サービスの提供に際しては、高齢者の尊厳を損なわないようにすることが求められています。
    また、忠実義務が定められ、サービス事業者が高齢者の為でなく、自分の利益の為だけにサー
    ビスを提供する場合には、忠実義務違反になる。
    これられの義務に反した場合、都道府県知事は指定を取り消すことができる。
  
 p31

 

 

利用者のプライバシー保護と守秘義務

 
 プライバシー権とは、自己に関する情報をコントロールする権利として、個人が自律的に、社会関係を
形成する為に、公権力や第三者に観賞されることなく、他に対して秘密にしておく権利として考えられる。
  
 p32


-------------

目次へ戻ろう(´0`)フウ いや、ホームかな?