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呟き尾形のユング心理学
 第2回 ペルソナ

 

 

 

 

 

 

 

ペルソナ


  ペルソナとは、ギリシア語で「仮面」の意味であり、外界に対して適応、
つまり、自分が社会に対してどのように見せるか、あるいはどのように見
られているかを示します。
 ユングの言葉を借りれば「一人の人間が、どのように社会に向かって示
すかということに関する、個体と社会的集合体との間の一種の妥協」とい
うことになります。
 まぁ、要は、表面上取り繕う性格をペルソナ。と呼んでいるともいえる
ことになります。

 で、心理学においては、このペルソナをどう扱っているかというと、
社会に対してどのように自分を示すか、またはどのように他人から見
られているか問うことを示しています。

 なんでそういうことが問われるかと言うと、人間の心というものの奥
底には無意識というものがあって、その無意識の中には、自分すら自覚
できない自分シャドー、男性が描く理想の女性像アニマ、女性が描く理
想の男性像アニムス、心の奥底にある母親像グランドマザー、心の奥底
にある父親像グランドワイズマンというものが存在します。
 こういった無意識の要素は多分に意識にかかわりをもっていて、シャ
ドー、アニマ、アニムス、グランドマザー、オールドワイズマンなどの
無意識が強く意識に影響を与え、その結果、意識として、自分はこうな
りたい、こうおもわれたいというイメージが出来上がるわけです。
 その現れた形がペルソナ。というわけです。

 で、心理学においては、本人がペルソナを操っているうちは良いので
すが逆に、ペルソナに操られるようになるとき、さまざまな心理的な痛
みが生じると言われています。
 家庭を持つ男性で、管理職をしているとき、家庭でも管理職のような
言動をとるのは、ペルソナに操られている状態だといえます。
 ペルソナに操られるというのは、結構苦痛です。
 やりたくもないのに、「〜せねばならない」という意識ばかり発生す
るからです。

 自分はこうありたい。という思いが強いあまりついつい無理しちゃう
わけです。
 いえ、ここで勘違いして欲しくないのは、「自分がこうありたい」
と思うことが問題なのではなく、「ついつい無理をしちゃう」ことが、
問題なのです。
 なぜなら、この「無理」は、実は負担が大きい場合が多いのです。

 なので、もちろん、自分はこうありたいと思うことは、まったく、
一切、のーぷろぶれむです。
 自分はこうありたいと思うことに執着しないことが必要なんでしょ
うね。

 で、ここがポイント。「自分がこうありたい」ということは「自
分がこうありたくない」ということが発生します。
 これが、いわゆる、シャドー。
 そして、いわゆる、ペルソナが強くなると、当然シャドーも強く
なる。
 まぁ、比ゆ的に無理やり、数値化するなら、ペルソナが10だと
すれば、シャドーはマイナス10。
 このペルソナが100になれば、シャドーはマイナス100にな
る。ということです。
 もちろん、ペルソナが強いからといって、操られるとは限りませ
んが、強ければ強いほど、操られやすくなります。
 もっとも、弱いペルソナだって、操られるときは操られますけ
どね。
 小学生がうっかり、女性の先生を、お母さん。と呼んでしまった
りするとかですね。

 で、ペルソナをあえて対象化するならば、虎視眈々と、操ること
を狙っているようなものです。

 一般には、そんな仮面を脱ぎ捨てることが勧められていますが、
それも時と場合によります。
 なぜなら、ペルソナとは、「人が、個体と社会的集合体との間
の一種の妥協」だからであり、社会に所属する限り必然的に生じ
るものであると同時に、必要なものだからです。

 一時的に捨てることはできても、社会に所属する限り、捨て続
けることはできない。ということですね。

 で、強いペルソナを持つことにもメリットはあるんです。
 というよりも、強いペルソナを持たざるを得ない場合がある。
ともいえますけどね。

 そのためには、ペルソナとシャドーの統合が不可欠なんです
よね。
 どうすれば良いかは状況によりけりですが、哲学や宗教など
が役立つと思われます。

 で、これはあくまで私見ですが、アニマ、あるいはアニムス
と自分を統合するとき、その前に、まず、ペルソナとシャドー
を統合するという過程が必要不可欠でもあると思うわけです。
 じゃないと、アニマ、あるいはアニムスは、シャドーによっ
て、捻じ曲げられ、アニマ、アニムスを正しく見て取れないか
らです。
 まぁ、これは仮説ですが、シャドーというのは、単純な先入
観ともいえるかもしれません。。

質問、感想などは、白い時計塔のある村の掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑)


 

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