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呟き堂    ゲド戦記

 

 

 

 

 

 

 


ゲド戦記


『呟き堂』:店主
クニークルス:ウサギ。客

 ねぇ、ねぇ、聞いたかい? シニョール呟き尾形!
『あのね、クニークルス。
 ここでは、呟き堂の店主、呟き堂ってよんでくれ』
 そんなことは、どうでもいいよ、シニョール呟き尾形!
 ニュースもニュース、なんと、ゲド戦記が映画化される。
 それも、ジブリが!!!
『え〜!!!
 嘘?
 って、調べてみたらあった〜
http://www.ghibli.jp/ged_01/30about/
 す、すごい、あのゲド戦記が映画化されるなんて・・・』
 そうだよね。シニョール呟き尾形にとって、衝撃的な小説だったんだよね。
 そうそう、ゲド戦記というのは、ハイタカと呼ばれる、天才魔術師の生涯の物語なんだけど、そこには、人間が生きる上で必ずぶつかる心の壁を見事に描ききった小説だったんだよ』
 主人公がハイタカなのにゲド戦記なの?
『ここが、ちょっとややこしくてね。
 ゲド戦記の舞台はアース―シーという架空の世界で広げられ、アース―シーではすべてのものが本当の名前をもち、その真の名を知るものは、それを支配できる。それが魔法の根源です。
 人間もまた成人することで真の名を与えられ、ハイタカの真の名がゲドなのです。
 ゲド戦記はゲドの心の戦いの記録だといっても過言ではありません。
 そして、その心の戦いは、程度の差こそあれ、私たちにも訪れるものなのです。

 1巻の「影との戦い」は、若者が自らの傲慢から呼び起こした自分の影と戦いそして、解決する様は、青年から大人になる葛藤が描かれていて、すごかったよなぁ。
 2巻の「こわれた腕環」は、テナーという女性が半ば主人公として描かれ、女の子の心が大人の女の心に成長していく様が描かれていたし。
 3巻の「さいはての島へ」は、ハイタカが年老い、大賢者となり、アレンという若者と世界の危機を救う物語の中に、老いた者の役割がそこに描かれていました。
 4巻の「帰還」は再び、テナーが登場し、魔法使いとして、力を失ったハイタカとの最後の戦いを通して、老いた女性のあり方が描かれていた。
 どれも、どんなにすごい人であっても、自分という大きな壁があって、それを、各自が乗り越えるべきものなんだ。
 読み終えると、そんなことを痛感させられるんだよねぇ』
 ねぇ、ねぇ、そのゲド戦記は、ここ、呟き堂では売ってないの?
『うってるよ・・・全6巻。
 ほら』


 6巻って、シニョール呟き尾形、さっき4巻まで紹介していなかった?
『げげ! 本当だ!
 しまった、外伝ともう一つ出ていたのに、まだ読んでいなかった!!
 くぅ、よまねば』

 じゃぁ、とりあえず、読んだ4冊の、
   
は借りていくね。 『ああ、それまでには、
   
は読み終えるだろうから、貸してあげるよ』
  ありがと〜
 『いやぁ、お気に入りの本を薦めて読んでもらえるのはうれしいねぇ。
  はて・・・。なにか忘れているような・・・』


 

 

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