強い。
それが、クラウドのサウザーに対する評価であった。
少なくとも、クラウドが今まで戦ってきたサイクラフトの中で最強の相手だった。
超能力、攻撃ともに、クラウドの上手をいっていた。
クラウドは、目の前の強敵にどうすれば勝てるのか、分析した。
クラウドは闇の力、サウザーは光の力、お互いの力が正面衝突すれば、相殺しあうことはすでに経験済みである。
それなら、相殺した瞬間に、もう一つのシャドーシーカーを放てば勝機はある。
クラウドは、そう判断し、再び、掌から黒く丸い野球のボールほどの大きさのエネルギー体を造り出す。
シャドーシーカーはクラウドによって、決定されたターゲットを認識すると、生き物が標的へ襲い掛かるような勢いで飛んでいく。
サウザーは、瞬間的に光の剣を作り出し、シャドーシーカーを光の剣で斬りつけると、黒い玉と光の剣は相殺され消滅してしまう。
(ここまではさっきと同じだ)
「バカの一つ覚えみたいに同じ手を使ってきやがって!」
サウザーはクラウドを小ばかにするように言い放ちつつ、光の剣を繰り出すと、クラウドは、思わず掌で剣を受け止めようとする。
「オレ様の剣を素手でうけることが出来てたまるか!」
サウザーは怒りに身を任せてクラウドに腕もろとも切り裂かんばかりに剣撃をくりだした。
「かかったな!」
クラウドは掌からもう一つのシャドーシーカーを作り出し、光の剣の刀身と相殺させたあと、サウザーにカウンターの一撃を与るはずだった・・・。
しかし、クラウドの作戦は、すでにサウザーによって読まれていたことが、サウザーの5本の指先の光がすべてを物語っていた。
クラウドの攻撃はすでに繰り出され、サウザーの放つ光の弾丸を回避するどころか、吸い込まれるように、5発とも直撃する。
「完敗だ・・・」
クラウドの口から漏れた、最後の言葉だった。
GAME OVER
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