クラウドはそういったものの、実際、自分の思った以上に、肩に受けたダメージは大きかったようだ。
 肩の痛みは、クラウド自身の体力をドンドン奪っていく。
 今にも倒れそうな自分を自覚する。
 サウザーの超能力は、光を媒体するところから光の力。
 クラウドの超能力は闇。
 相反する根源とする超能力がぶつかり合えば相殺される。それでは今の体力では勝てる見込みはうすい。
 とはいいつつも、このむやみに攻撃するのも賢明ではない。
 しかし、シャドーシーカーなら、超能力がぶつかり合うことを避けて、サウザーにダメージを与えるかもしれない。
 クラウドは、その可能性にかけた。
 クラウドは、右の掌を上へむけ精神を集中すると、掌の上にサッカーボール大のシャドーシーカーを創り出す。
 サウザーはそれを見越したように、掌をクラウドに向ける。サウザーの掌に光が集中したかと思うと、光は、5発の光の玉となって浮かび上がる。
「終わりだぜ!」
 サウザーの勝利を確信した笑み。
「ちぃ」
 クラウドは右にある建物にいったん逃げ込むために飛び込む。
 超能力といえど物理的な障害物で何とか防御できるはずだ。
 そして、シャドーシーカーで、サウザーを追尾させ、あの光の玉をかわしきれば・・・。
 しかし、クラウドの行動は、サウザーに読まれていたようだ。放たれた光の玉の標的はクラウドではなく、クラウドが飛び込んだ建物だったからだ。
 クラウドは盾にされるはずの建物が崩れ落ち、クラウドはその下敷きになる。
 クラウドは相手の読みの鋭さと、自分の迂闊さを後悔しながらそのまま意識を失っていった。
 
 GAME OVER

 

ゲーム小説に  戻る

目次へ  戻る