クラウドは、掌から黒く丸い野球のボールほどの大きさのエネルギー体を造り出す。
 シャドーシーカー。ターゲットに対して追尾し続ける影の玉。
 シャドーシーカーはクラウドによって、決定されたターゲットを認識すると、生き物が標的へ襲い掛かるような勢いで飛んでいく。
 サウザーは、すばやく黒い玉を回避する。
 それでもシャドーシーカー大きシャドーシーカーを弧を描きサウザーに襲い掛かる。
「ちぃ! しつこい!」
 サウザーは、シャドーシーカーを回避しながらいらだたしげに吼えた。
 その間に、クラウドは精神を集中させ、もう一つのシャドーシーカーを作り出している。
「チィっ、これでも食らえ!」
 サウザーはシャドーシーカーに向かって、掌をクラウドに向けると、そこから5発の光の玉が放たれる。
 2発はシャドーシーカーを狙い、1発はシャドーシーカーがひらりと回避する。
 その回避したスキにもう1発の光の玉がシャドーシーカーに命中した。
 シャドーシーカーは、光を当てられた影のように消えていく。
 一方、シャイニングブラスターも影に飲み込まれる光のように消えていく。
 残りの3発はクラウドに向かってくる。
 クラウドは掌の上にある闇の玉を見つめる。
「いけ! シャドーシーカー!」
 クラウドの叫びとともに、一撃目のシャドーシーカーよりも勢いよく、二撃目のシャドーシーカーは3発の光の玉を回避してサウザーに襲い掛かる。
 3発の光の玉はクラウドを直撃するが、なんとか立っていられる。
 クラウドは、祈る気持ちで二撃目のシャドーシーカーの行方を捜す。
 シャドーシーカーはサウザーの胸に直撃していた。
「ば・・・ばかな」
 サウザーは、シャドーシーカーが直撃した胸を押さえながら、そのまま倒れ、そのまま立ち上がることは無かった。
 クラウドが立ち、サウザーが立ち上がらないのは、クラウドの勝利を意味していた。

 

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