クラウドは身構えて、サウザーの出方をみることにする。
 不用意な攻撃、超能力は危険を招くと判断したのだ。
 その判断は、サウザーも同じだったようだ。
「貴様、誰かに雇われた?」鋭い眼光をサウザーに向けてクラウドが問う。
「答える義理は無いな」軽くあしらうサウザー。
「ふん、金で殺しをするような奴は悪人だ」とクラウド。
「警察ってのは疑うのが仕事だからな、なんとでも言えばいいさ。
 もっとも、サイクラフトなら、人殺しぐらいするんだろ?」
 サウザーの挑発にクラウドは眉を動かす。
(人殺し? そう言った意味では俺も同じだな・・・・いいさ、とっくに墜ちているのさ)
 クラウドは自嘲した。
「図星ってところだな」サウザーさらにクラウドを挑発する。
「弱い犬ほどよく吼える」クラウドの自嘲をやめ、目の前の敵に集中した。
 その時、どこからとも無く、歌声が聞こえてくる。
 甘く、とろけるような子守唄。
 クラウドは歌声のする方に視線を向けると、ジャンに保護をたのんだ女性が歌いな
がらクラウドの前へ歩み寄る。
 女性の歌う歌は不思議なメロディーで、とても心地よく懐かしい。
 クラウドはいつしか、サウザーの存在を忘れて、女性の歌声に心をうばわれていた


 戦いの真っ只中に、戦いを忘れると言うことは、すなわち死を意味する。

 女性の歌声は、そのままクラウドのレクイエムとなる。

GAME OVER

 

 

ゲーム小説に  戻る

目次へ  戻る