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      非核三原則は、日本の国是です。   
        
      1974年、佐藤栄作氏は、ノーベル平和賞を受賞したわけですよ。  
       その理由は、非核三原則に基づく外交です。 
       
       ノーベル賞を受賞したのは個人ですが、やっぱりノーベル賞を受けるというのは、日本人の誇りなわけです。 
       その誇りの具体的形の一つに、ノーベル賞でもあるわけですよ。 
       さらに、非核三原則というものについては、多くの日本人が誇りを持てるものの一つです。 
        
       で、非核三原則とは、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という、日本国の国是とされている原則なんです。 
       
       国是というのは、国の大部分の政策の方向性を決定付ける、国民の支持を得た方針のことです。 
       実際、歴代の内閣はこの三原則を遵守することを表明していて、衆議院において非核三原則を遵守する旨の決議がおこなわれています。 
       
       で、日本は核兵器を持ちませんというのは、国是のみにとどまりません。 
       日本は、世界に核兵器は持ちませんと条約にも批准しています。 
       核拡散防止条約(Nuclear Non-Proliferation Treaty = NPT)というものがあります。核拡散防止条約は、正式名称を核兵器の不拡散に関する条約といいますが、条約の内容は、核兵器の保有国を制限し、核軍縮を進めるための条約のひとつです。   
       元々は第二次世界大戦の敗戦国であった日本とドイツの核武装を阻止する為に提案されたもので、日本は、この条約については、1970年2月に署名し、1976年6月批准しています。 
       
       で、核兵器の保有をアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国にに限り、他の加盟国には原子力発電など「核の平和利用」の権利は認めているわけです。 
       そして、日本は現在のように、原子力発電の開発は進められているわけです。 
       
       さて、ここで日本が核武装を議論するということは、日本がこれまで長い間推し進めてきた核の平和利用という大義名分は覆されることになります。 
       ダブルスタンダードどころではありません。 
       国是は、非核三原則。 
       核拡散防止条約は批准している。 
       国内の原子力発電施設の大義名分は核の平和利用。 
       世論としても核武装は特にでていない。 
       憲法9条では国際紛争の解決手段としての軍事力の行使を認めていない。 
       その上で、核武装を議論する。 
       コントラクションスタンダード(矛盾規格)になるわけです。 
       国是に反し、憲法違反の可能性が浮かび上がり、その世論もない。 
       その上で核武装を是とする意見が上がるということは、結果的に、日本の核の平和利用は、核兵器保有のための準備だったと非難されるべき自体になります。 
       
       それでも核武装しますというのなら、国際的な孤立も免れないでしょう。 
       
       上記の理由から、核武装について、議論すること事態、今の日本の現状では、ナンセンスであるということになります。 
       
       もちろん、国是は永久不変なものでないわけですから、それを、議論しようといってるという意見があるかもしれません。 
       が、しかし、問題は、議論の必要性が日本の大きな世論がどこにあるのでしょう? 
       
       日本の主権者は、日本国民だからであり、現在では世論が主権者の意見であるともいえます。 
       そして、日本の公務員は、すべての国民の奉仕者です。 
       国会議員も公務員です。 
       そして、国会も内閣も世論にしたがって政治的な選択をするというのが、現在の日本の政治の仕組みの原則です。 
       が、その世論もみあたらない。 
       むしろ、「大いに議論すべし」と世論を煽っている結果になってしまいます。 
       順序が逆です。 
       
       もちろん、世論が現在の国是に疑問を持てば話は別です。 
       しかし、上記のように、しめしたリスクと、矛盾を抱えたまま核武装したい主権者はいるでしょうか? 
       
       結局、核武装の議論の必要性自体が、目先の恐怖を回避するために、ずっと築き上げてきた信頼を自ら壊す愚を犯し、 
       「日本は嘘つきですよ」 
       「今は本気ですが、将来は気が変わりますよ〜」 
       「平和の理念なんて、ちょっと危ない可能性があれば捨てますから」 
       と世界に触れ回る行為になってしまいます。 
       そんな国家がどうなったでしょうか? 
       想像するまでもありません。北朝鮮の現状を見ればわかります。 
       
       それを考えると、一時の状況に、政治屋さんが、パニックになって冷静な判断が出来なくなったとしか考えられません。 
       
       まぁ、そんなんだから、北朝鮮の瀬戸際外交を有効にしてしまうのでしょう 
      ね・・・くわばら、くわばら。 
       
       
       と言いますのも、たしかに、日本の核保有議論という 
      レベルならいいのではないか? 
       というご意見もあるとは思います。 
       
       それについては、きちんと理由を述べた上での 議論は   
      不要という主張です。日本では、核武装の議論すること   
      自体が、非常に非常に 大きなデメリットが多いというこ   
      とです。   
       そのデメリットは、上記の記事にあるとおり、 
       ・国是の否定、 
       ・条約違反、 
       ・世論の無視、 
       ・違憲の可能性大 
      (核ミサイルはまさに、国際紛争の解決手段としての武力です)。 
      ということです。 
       日本が築き上げた日本の国際的なアイデンティティーを 
      すべて否定してまで、するべき議論では無いと思っております。 
       
        
      質問、感想などは、日本の核武装議論掲示板などに書き込みしていただければ、モチベーションもあがります(笑) 
 
       
       
        
         
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