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占星学の歴史 ロバート・フラット
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★★★ ●ロバート・フラッド イギリスの医師、ロバート・フラッドは、ギリシア神秘主義とパラケルススの手法を受け継いでいました。 ロバート・フラッドの思想は、ルネサンスの自然魔術とカバラ、パラケルスス流の錬金術とジョン・ディーの強い影響を受けており、大宇宙としての天界と小宇宙としての人界が照応関係にあることの再体系化を努めました。 つまり、人間は宇宙の完全なる縮図で、宇宙は巨大化した人間自身であると考えたのです。 現代では、占いがからむと非科学的であるという先入観がありますが、ロバート・フラッドは、実験を重視する科学者でもありました。 一説には蒸気機関の最初の発明者だったともいわれていますが、その真偽のほどはさだかではありません。 ともあれ、ロバートフラッドは、魔術と科学が混合した時代を生きた偉大な思想家の一人であったといえるでしょう。 実際、ロバートフラッド、ロンドンで開業医となり、名医との評判を得て成功しています。 ロバートフラッドの医学は現代の私たちが見たら、神秘主義と宗教、自然科学の玉石混交だと判断する人が多いといえるでしょう。 また、ロバートフラッドはパラケルススの錬金術医学の信望者だったそうです。 ロバートフラッドは、全ての病気は原罪から生じ、悪霊によって引き起こされ、天使の力を借りることによって治療が可能と考えたそうです。 例えば、熱病は悪臭を放つ東風に乗って到来する邪悪な天使サマエルによって引き起こされ、それに対抗するのはミカエルとその眷属たちである。その力を借りればよいと考えました。 したがって、ロバートフラッドは、病気の治療に薬草や鉱石を使用する一方で、こうした天使の力を借りる祈りや呪文もまた有効であると考えたそうです。 ロバートフラッドとほぼ同時代のイギリスでは、ジョン・ディーがエリザベス1世のお抱え占星術師として、情勢を振るっていました。 そういったことから、イギリスにおいて、ジョン・ディーがエリザベス朝最大の魔術師なら、ロバート・フラッドはさしづめジェームズ朝最大の魔術師と言えるかもしれません。 また、ロバート・フラッドは、最後のルネサンス型魔術師であったとも言われています。 フラッドは、占星学を通して、宇宙(大宇宙)と人間(小宇宙)との関係を考察したそうです。 宇宙と人間を結ぶ神聖な知識を、「調和(ハルモニア)」で説明しようとしました。 宇宙とは、人間を巨大化させたものであり、人間は逆に宇宙を縮小させたものとしました。 フラッドは、この関係を前提に、人間と宇宙の関係は数学的に証明が可能であるに違いないと考えたのです。 この数学的対応こそが「調和(ハルモニア)」であり、これを解く鍵が数学魔術であり、占星術でもあり、音楽理論でもあるとフラッドは主張しました。 これは、フラッドの著書に出てくる建築技術や軍事などの一見、こうしたものとは関係なさそうに見える知識も、数学的な調和に基づいた知識だったといえます。 さらにフラッドは、自然哲学、錬金術、医学は完璧ではないとします。 なにより、それらの大本となる数学が完璧ではないとしました。 だからこそ、フラッドは、数学的な技術の改良が必要であると考えたのです。 フラッドは、パラケルススのみならずアグリッパの影響も強く受けていたとも言われています。 また、同じ頃、フランスではノストラダムスがカトリーヌ・ド・メディチに重用され、宮廷占星術師として活躍したそうです。 ★★★ |
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