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地球連邦

 地球連邦は、旧世紀待つの国家間の武力衝突を阻止する機構として成立した。
 当時の地球は数十年にわたって続いていた世界的なパラダイムは崩壊し、世界は新たな枠組みが模索されていた。
 それは、多くの人が精神的なよりどころを失い、民族や宗教に依存しやすい状況を作り出し、それぞれの激しい対立を意味していた。
 それゆえ、世界は潜在的な戦火の燻りをみせていた。

 この状況を打破する目的を持ち、国際的な調停機構よりも強い権限を持つ組織の存在が求められていた。
 そのような国際情勢のなかで、各国の妥協と打算の結果、暫定的なものととして、地球連邦が成立した。
 その結果、地球連邦は、基本的に各国の国籍の意思決定機関と同等以上の権限をもたされた。
 そのようになった背景には、地球連邦が解決すべき問題点を解決するには、民族、宗教、国家理念などを超越した、強い権限を持たなければ不可能なことであったため、やむを得ない選択であった。
 そして、全地球規模の行政府として成立した地球連邦政府は、地球前提の統制を可能とする、地球連邦軍を設立させることになった。