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ジオン・ズム・ダイクン

 ジオン・ズム・ダイクンこそ、コントリズムを提唱した人物である。
 ダイクンの主張は、下記の通りである。
「人類は本来、宇宙に進出する資質を持って地球に生まれたのであり、スペースコロニーは、地球の代替品ではなく、じんるがいさらに進化する新たな大地である」
 そして、ダイクンは、その運動をサイド3で実践し、市民レベルを越えたムーブメントを生み出した。
 その現象は、ダイクンの提唱するコントリズムが、宇宙移民者が漠然と抱えていた閉塞感を解放するものだったことの証とも言えるだろう。
 それだけに、地球に住むものが上流階級者であるという当時の風潮を逆転させた。
 そして、宇宙移民者が抱えていた、地球に住む者への対する劣等感は解消された。
 それは、宇宙移民者は、地球から棄民されたのではなく、自らの石で親元を巣立った結果であるということを意味していた。
 つまり、地球に残ったものではなく、宇宙に進出したものこそが、次世代を担うエリートであると考えたのだ。
 ただし、ダイクンは、このエリートという言葉を宇宙移民者を鼓舞するスローガンとして、述べたのであって、選ばれた人間という意味での選民思想そのものを意味するものではなかった。
 やがて、ダイクンに賛同する人々の数は膨大になり、ダイクンの意思とは無関係に膨張し、サイド3は連邦政府に対して、ジオン共和国として独立宣言をおこなった。