ホーム > 目次 > 小説 > ガンダム0092 > 1年戦争

 

ソロモン攻略戦

 地球上でのジャブロー攻略戦、オデッサ作戦のジオン軍の敗北は、地球から撤退を余儀なくされました。
 連邦軍は、この勢いに乗じて、一年戦争の終結を計ります。
 一年戦争を終結させるには、ジオン公国の本拠地であるサイド3を攻略するのが最も合理的でした。
 しかし、サイド3はジオン公国の本拠地ですから、それを防衛する力も大きくなります。
 サイド3を攻略するためには、下記の、
 ギレンが指揮を執る 宇宙要塞 ア・バオア・クー
 キシリアが指揮を執る 月面都市 グラナダ
 そしてドズルが指揮を執る 宇宙要塞 ソロモン
 を攻略しなければなりません。
 地球連邦軍にとってこの防衛ラインを突破するには、この拠点のひとつを確実に壊滅させる事が必須条件でした。
 それに対して、ジオン公国軍は、地球連邦軍が攻めてくると思われる的を絞る事が出来ずに、右往左往しているような状態が続いていました。
 そんななか、攻撃目標がソロモンに決定しました。
 理由は、大きく二つあり、下記のとおりです。
 1・壊滅したサイド1、サイド4の残骸が多くカムフラージュが利き、発見されにくい事
 2・ドズルが指揮を執っているため、最も兵士の士気が高いソロモンの陥落をさせることが、終戦の近道であること
  上記の2つの様な理由により、ソロモン攻略を決定します。
 もちろん、地球連邦軍も自軍の被害を増やしたくなかったので、対要塞兵器「ソーラー・システム」を使用し、短期決戦で挑む事になりました。
 ソーラーシステムとは、ソーラー・システムは、20m×10mの鏡を宇宙区間に40万枚、四角形になるように敷き詰めて、太陽光を集めて、攻撃目標に照射すると言うものです。
 ただし、ミラーを40万枚敷き詰めるのには時間が掛かるという問題がありました。
 そこで、連邦軍は、部隊を囮部隊と、ミラー敷き詰め部隊に分けました。
 囮部隊には、ホワイトベースを始めとする数隻の艦艇がわりあてられ、本隊の侵攻ルートをカモフラージュしました。

 そして、ソロモン攻略戦がはじまります。
 12月24日、地球連邦軍は、囮部隊で本体の侵攻ルートをカモフラージュしつつ、地球連邦軍の底力とも言える数の力の助けを借りた戦術を駆使し、練度は低いものの大規模な集団で援護しあうモビルスーツ隊の戦術を駆使しつつ、ソーラーシステムを使う計画でした。
 ジオン側においては、ドズルは、キシリアからの増援を拒否していることもあり、ただでさえ戦力において不利な部分がひときわ目立ちました。
 また、結果論ではあるものの、ジオン軍は正面の囮部隊である、第三艦隊に気をとられてソーラ・システムや主力の第二艦隊に気がつくのに時間がかかったことは、致命的だったといえるでしょう。
 ジオン軍は、地球連邦軍が予定よりもソーラーシステムを照射することが出来ず、照射に時間がかかったことで、球連邦軍がサイド1の残骸に隠れてソーラーシステムを作っていることを照射直前に確認しました。
 そこで、ジオン軍は、衛星ミサイルを使用して攻撃をしかけます。
 しかし、衛星ミサイルによって、一部は破壊できたものの、ソーラーシステムの照射阻止まではいたりませんでした。
 このソーラーシステムの照射により、ソロモンのスペースゲートは4000℃という高熱で照射され、ゲートの中にいた部隊ごと壊滅させ、ソロモンの陥落は決定的となりました。
 ソロモンの司令官ドズル・ザビ中将はソロモンの放棄を決定しました。
 その後、残存戦力の脱出の時間稼ぎのために、ソロモンから、多少の残存部隊が抵抗し、モビルアーマー「ビグ・ザム」が出撃し、地球連邦軍艦隊を奇襲し、地球連邦軍ソロモン攻略部隊司令のティアンム大将の乗艦を撃沈した他、第二艦隊に大損害を与えるなどしました。
 しかし、このソロモン攻略戦で、ドズル・ザビは戦死し、この後、ソロモンは地球連邦軍の制圧下となり、防衛ラインの一つの拠点を予定通り壊滅させる事に成功しました。
 この制圧後、ソロモンは「コンペイトウ」と改名され、地球連邦軍の拠点となり 次の作戦に備えます。

しかし、ジオン公国軍は、この敗北すらもバネにして、防御の体制を整えていきます。