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呟き尾形の哲学講座
第91回 中世哲学 スコラ哲学
      アベラルドゥズのあゆみ

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回から新しい哲学者だよね?」
『はい。今回から、アベラルドゥスの紹介をしたいと思います』
《アラカルト?( ̄ー ̄ッフ
 デザートみたいなのだ(@ ̄¬ ̄@)》
『アベラルドゥスです。
 アラベラルドゥスは、中世フランスの西部のナントに近いバ
レーに生まれました。
 音声言語論者ロスケリヌスと実在論者のギヨーム・ド・シャ
ンポーに師事、パリのノートルダム大聖堂付属学校で神学と哲
学の教師となって非常な名声を博しました』
《なんか、えりーとっぽいのだ(@0@)》
「でも、哲学者って、順風満帆ってわけじゃないようね」
『はい。
 アラベラルドゥスはノートルダム大聖堂参事会員フュ
ルベールの姪エロイーズと出会いました』
《ふに、あろえろーずがどうしたのだ?(?_?)》
 エロイーズだよ、めぐたん。
 エロイーズは容貌もよく、学問に優れていたため国内でも
有名だったそうだよ。
『そうですね、アラベラルドゥスはエロイーズに魅力を感じ、
フュルベールに住み込みの家庭教師となることを申し出た
そうです』
《むむ、恋の予感なのだΣ(≧∀≦)》
『するどいですね。
 20歳以上年の離れていた2人は熱烈な恋に陥り、エロイーズ
と秘密の結婚をするまでいたりました』
《なんてロマンチックなのだq(//▽//)p》
 まぁ、男女の間ではロマンチックかもしれないけれど、
このことは、スキャンダルになったんだよ、めぐたん。
『そうですね。
  このスキャンダルに叔父フュルベールは激怒し、縁者ら
にアラベラルドゥスを襲撃させてしまいます』
《ふに、人の恋路をじゃまするやつなのだ(=皿=)ッキ》
『 アラベラルドゥスは後にこれを”罪を犯したところに罰を
受けた”といわれています
 その後、アラベラルドゥスはパリを離れてサン・ドニ修道院に移り、
修道士となり、エロイーズはアルジャントゥイユ修道院の修
道女になったそうです』
《おとなの都合で、引き裂かれたんだな(○`ε´○)》
『そうといえるかもしれません』
「えっとここまできくと、アラベラルドゥズと哲学って関係な
さそうじゃない?」
『そうでした、哲学という点でいうと、アラベラルドゥスは、
師のロスケリヌスの実在論を批判し、師のロスケリヌスの名声
を失墜さるにいたりました』
「う〜ん、哲学のためなら、恩師も批判するんだね」
『そうですね。
 アラベラルドゥズは学問においては自説を決して曲げない性
格であり、間違っていると思えば己の師ですら罵倒し、論破した
そうです。
 また、独立で聖書を講解するなどして、驚くべき哲学者とし
て、人気を博したそうです』
 でも、そんなアラベラルドゥズの性格であったため、碩学で
あったが多くの敵対者を生んだんだよね。
『はい。アラベラルドゥスは、一連の普遍論争においてクレル
ヴォーのベルナルドゥスと対立し、サンス公会議でも異端とさ
れましたし、晩年はクリュニー修道院ですごし、サン・マルセ
ル修道院でその生涯を閉じたといわれています』
《じゃぁ、恋の行方は悲劇だったのか?(;w;)》
『遺体はエロイーズの願いに応じてパラクレトゥスに埋葬され、
1164年に彼女が亡くなると同じ墓に葬られたといわれています
から、悲劇かどうかはなんとも判断が難しいところです』
 それじゃ、アリデベルチ。
 
 

★★★

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