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呟き尾形の哲学講座 205号
   近世哲学 スピノザ スピノザの形而上学
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呟き尾形の哲学講座
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登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人



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『こんにちは。呟き尾形です』
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(v^ー゜)》
「前回はスピノザの「エチカ」の方法論についてだったよね」
『では、スピノザの形而上学の続きをお話したいと思います。スピノザの思想には、古代ギリシア哲学に遡る、世界を一元的に
説明しようとする態度ですが、ギリシア哲学の一元論といえば、
プラトンです。
 プラトンは、一元的な説明原理として、精神的なものを考えてい
た。
 プラトンの場合にはイデアが、世界を説明するための一貫した
原理になったが、スピノザはそれを神に置き換えたのだといえま
す』
「やっぱり、昔に戻ったってことじゃない」
『スピノザの説明法は、プラトンとは比較にならぬほど緻密で徹
底したものでした』
《ものすごくくわしいってことか?(¬_¬)》
『ま、まぁ、そうですかね。
 漠然と神という存在を定義したのではなく、スピノザは究極の
実体としての神の存在を証明します。
 究極の実体としての紙の存在のもと、世界のあらゆる事象につ
いて、演繹的に証明していきます。その証明は、世界についての
完結した説明されています』
 どんな感じで説明されたの? シニョール呟き尾形。
『スピノザの説明した世界観あるいは形而上学としてのスピノザ
の体系には、三つの重要な概念があります。
 実体、属性、様態です』
「実体ってなに?」
『実体とは、その存在のために他のものを必要としないものです。
 実体をこのように考えれば、実体は必然的に無限であって、他
のものによって限定されたり、条件付けられたりしないと考えら
れます』
《ふに、そんなのいっぱいあったら、大変じゃないか?(゚ー゚*?)オヨ?》
『もちろん、実体無限はいくつもあるものではありません。
 仮に、無限がいくつもあるものだとすれば、めぐたんの言う通り、
無限のもの同士が互いに限定しあうことになり、無限の概念と抵触
します』
 だよね、シニョール呟き尾形。
 ってことは、一つしかないとおかしいよね。
『その通りです。
 無限が存在するためには、無限の実体は一つでなければいけないの
です。
 つまり、実体とは、神であるということになります
 この世界にはただひとつ、神という実体が存在するだけなのです』
《ふに、それは、神様は世界ぜーんぶ神様ってことか?(・_・)......ン? 》
『そういうことです。 
つまり、万物は神の一部であり、実体は唯一というわけです』
「説明はそうかもしれないけど、いわれると、そーなんだといえる
けど、なんか釈然としないなぁ」
『神は、自己に原因を有し、原因そのもの、つまり自因と及ばれる
ものを含んでいるのが実体である。
 そして、自因とは、その本質が存在を含めるもの、即ち、本性上、
存在せりとの外は考えることが出来ないものであるとスピノザは考
えました。
 ちょっとまって、自分自身を原因で自分が結果ってトートロジー
じゃない?

 でも、二元論を、ギリシア哲学ににさかのぼった一元論にするっ
て時代の逆行みたいにかんじるね。シニョール呟き尾形。
『たしかに違和感を感じなくはありませんね。
 そうした、スピノザの考えについては、次回お話しましょう』
 それじゃぁ、アリデベルチ。


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