登場人物紹介 『呟き尾形』:講師・・・のはず クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず 「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。 《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒 【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師 ※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人
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『こんにちは。呟き尾形です』 「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(v^ー゜)》 「前回はスピノザの「エチカ」の方法論についてだったよね」
『今回から、スピノザの形而上学についてお話したいと思います』 《けーじじょーがくっていうのは、刑事の学問か?Σ(=゜ω゜=;) マジ!?》
形而上学だよ、めぐたん。 現象的世界を超越した本体的なものや絶対的な存在者を、思弁的 思惟や知的直観によって考究しようとする学問だね。
『そうですね。主要な対象は魂・世界・神などになります』 「スピノザの形而上学っていうのは、どんなものなの?」
『スピノザの世界観は、神の形而上学ともいうべきものです。 スピノザは、人間の精神の働きを含めた、この世界のあらゆる営
みや出来事を神の働きあるいは現われとして説明しています』 《ふに、ぜんぜんわからないのだ(・3・)ブー》
『言い換えれば、全体としての世界が神という一つの実体で、私た ちが神ではないと思っていても、それは、全体としての神という世
界の一部で、世界以外の存在ではないもとして、単独では存在しえ ないということです。 つまり、世界に存在するすべての物は、全体の一部としてのみ存
在するとスピノザは説明しています』 論理的一元論ってやつだね。シニョール呟き尾形。 『そうですね。
まず、一元論とは、すべての実在は究極的には一つであり、すべ ての存在、現象をこの統一的原理から説明する哲学的形而上学的立 場を言います』
「スピノザは、最初に一元論を言い始めたの?」 『いいえ。 スピノザの論理的一元論は、初期のギリシャ哲学に始
まる存在論の巨大な流れの上に立っています』 《ふに、古いことをなんでそんなことをいいだしたのだ?(゚ー゚*?)オヨ?》
『デカルトは心身二元論によって、思考と物体とを分裂させました』 精神と物質の両方を認める二元論だね、シニョール呟き尾形
『そうですね。デカルトは、方法的懐疑によって、思考による認識論 に優位を与えたことにより、結果として存在に関する存在論を軽視す る形になりました』
「デカルトが間違っていたってこと?」 『間違いというよりも、結果的に軽視されたことを補完するために、
スピノザはこの存在論を改めて重視することで、世界を人間の思考 の随伴者としてではなく、それ自体に根拠を内有する独立した実体
としてとらえなおしたのが、論理的一元論となったわけです』 《間違いじゃないってことはどーゆーことなのだ?( ̄_J ̄)ん? 》
『デカルトの哲学は、過去にあった哲学の問題を克服するために二 元論を出して説明しました。しかし、デカルトの哲学では説明でき ないこともありました。
スピノザは、デカルトの哲学で説明できなかったことを、説明す るために、スピノザは、一元論的に世界を説明しようとしたわけで す』
でも、二元論を、ギリシア哲学ににさかのぼった一元論にするっ て時代の逆行みたいにかんじるね。シニョール呟き尾形。
『たしかに違和感を感じなくはありませんね。 そうした、スピノザの考えについては、次回お話しましょう』 それじゃぁ、アリデベルチ。
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