相手がサイクラフトであることがわかれば、遠慮はいらない。
　クラウドが拳銃のトリガーを引くと、覆面の男は光の剣で弾丸を弾き飛ばす。
　カランカラン。と弾丸が地面に落ちる音が闇に響く。
「なんだと！」
　クラウドは思わず、驚嘆の声を上げる。
　人間が、拳銃の弾丸を剣で受け止めるなどということは、信じがたいことだ。
「狙いが当たりがつけば、こんなの簡単さ！」
　覆面の男は、嬉々としてそう言い放つ。そして、そう終えるやいなや、覆面をみずから剥ぎ取りクラウドになげつけた。
　覆面の下からは流れる金色の髪が姿を現したかと思うと、その覆面が、クラウドの視界を右半分奪った。
　人間は視界を奪われるとその状況判断能力が、かなり劣ってしまう。実際、冷静なはずのクラウドにも、動きに微妙な戸惑いが生じ、隙が出来てしまう。
　金髪の男は、その隙に、クラウドが奪われた視界の方へすかさず移動した。
　覆面が破られ、そこから光の剣が飛び出てきた。
　クラウドは、反射的に半身をそらす。
　しかし、剣による致命傷はなかったものの、剣の切先はクラウドの肩を突き刺した。
　だが、クラウドも負けてはいない。クラウドは、ダメージを受けながらも、半身をそらした勢いで遠心力をきかせた回し蹴りを繰り出す。その蹴りは、金髪の男の側頭部を打撃することに成功した。
　金髪の男はクラウドの蹴りをうけがらその場にとどまり、クラウドが一筋縄でいく相手ではないことを理解したようだ。間合いとり、リズミカルにステップを踏み、戦闘態勢を整える。
「ふん、やるじゃないか。
　大抵のやつは、今ので終わりだったぜ」
　金髪の男は不遜な笑みを浮かべる。
「貴様は？」
「俺の名は、サウザー。見ての通りサイクラフトだ。
　さぁ、はじめようぜ」
　サウザーはクラウドが強いことを見抜き、それを嬉しいといわんばかりに目を輝かせる。
「ふん、始まっているさ」
　クラウドは傷口を軽くなぞりながら、サウザーとは対照的に戦闘態勢を整えた。


　攻撃する（Ａ０３）

　探索者の影（シャドウシーカー）を使う（Ｆ０３）

　防御する（Ｅ０３）