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マグニチュードπ
 絶望感という名の重い空気

 

マグニチュードπ 絶望感という名の重い空気


★★★ツイッターに呟いた、マグニチュードπ★★★

★★★★ここから★★★

035 校門から校舎まで、がれきはかきわけられ、道らしきもになっていた。それでも、がれきと水た

まりをまたぎながら校舎に入る。 #MAGNITUDE_P

036 目の前の小学校は、母校でもある。小学校の頃の思い出とその場所を重ねるがどうしても、重ね

られない。 #MAGNITUDE_P

037 校舎の玄関の奥には車が突っ込んでいた。テレビでテロ事件として報道されるような光景がさも

当然のように目の前に存在する。 #MAGNITUDE_P

038-1 階段までたどり着く。1階の天井ぐらいまで、津波の水の跡がついていた。 #MAGNITUDE_P

038-2 階段を一段、また一段と踏みしめるたびに空気が重くのしかかる。 #MAGNITUDE_P

038-3 学校の中にある重い空気は、絶望感そのものだと思えた。 #MAGNITUDE_P

038-4 重い空気に、自分も押しつぶされそうになるが、AさんとBさんの無事を信じ絶望感をふりは

らい、ながら探し始める #MAGNITUDE_P

039 教頭先生とあえた。挨拶するも、お互い疲労はどうしようもない。黒板に書いてある数字は避難

している人の数だろう。 #MAGNITUDE_P

040 黒板にある数は減っている。理由なんてきけない、理由を考えることを心が拒否する。 

#MAGNITUDE_P

050 忙しそうな先生たちに挨拶をし、声をかけたかったが、声をかけることで時間を取らせることが

ひどく悪いことをしているのではないかということで、先生たちの視界に入りそうなところで会釈を

した。 #MAGNITUDE_P

051 先生たちに会釈をするときは「おはようございます、お疲れ様です。これからもがんばりましょ

う」と心の中で呪文のように唱えた。思いが届かなくてもいい。ただ、この祈りが神様にとどけばい

い。 #MAGNITUDE_P

052 神様? いるんだろうか?  #MAGNITUDE_P

053 多分、神様は、いるのではなく、在るのだろう。そういうことにしておこう。そう、自分がここ

にいる目的は、AさんとBさんの安否の確認だ #MAGNITUDE_P

★★★ここまで★★★★

   震災翌日の小学校へ行った時の絶望感には押しつぶされそうになった。
 いや、たぶん、押しつぶされていたのだと思う。

 自分の顔はみれなかったが、血の気が引いていたのではないかと思う。
 実際、この文章を書いている今も、血の気がひいて、めまいがする。

 学校が津波にあっているころ、自分はお寺で案内をしていたわけだが、その頃に想像を絶する津波地獄のようなことが起こっていたことになる。
 それを考えれば、山一つを境にした天国と地獄の差があったし、そのギャップに胸に何かが重くのしかかる。

 自分は、津波についての体験はまったくない。ただただ、受け入れがたい口コミだけがあり、それはいくらなんでも大げさだろうと内心、自分に言い聞かせていたわけだ。
 だが、津波被害の現場を見てその凄まじさに心が押しつぶされた。
 さらに、小学校の中に入ればその凄まじさは、自分の認識がどれだけ甘かったかを痛感させられた。
 安否確認という目的がなければ、多分、その場にうずくまっていたかもしれない。
 それだけ、自分が感じた絶望感という名の空気の厚さがあったということだ。
 ただ、ただ、無事でいて欲しい、それだけが重い空気の中を進めた原動力になっていたように思う。


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