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●ケイス vs ゲイツ
 ケイスは戦況を見ながら、各小隊の隊長に指示をする。
 それは、戦場において、MSの操縦、指揮、そして戦況分析をするための情
報処理を瞬時に行わなければいけないと言う能力を問われる。
 ケイスはディスプレイに出ているあるデータを見ながら、一癖あるMSに注目
する。
(奴は・・・ゲイツ!!!)
「カイン中尉・・・」
 ケイスは改まって副官のカインに言う。
「なんでしょうか?」
「悪いが、おれは他の奴の面倒を見る余裕がなさそうだ。指揮権を一反預ける」
 ケイスは言い終わらないうちに、MSのバーニアを全快にする。
「ウインターホース大尉。な、なにを」
 カインはあっけに取られ、反問する。
「じゃぁな。生きていたら話してやるぜ」
 ケイスはそういって単機で、敵新型MSの隊長機へ切り込み、目標のMSに一
直線に向かい、ビームサーベルを抜き放つ。
「ウィンターホースよ。目を覚ませ。理念無き連邦のために命を投げ出してなん
になる」
「うるせぇ。ゲイツ! 貴様とかわす言葉なんかねぇよ!」
 ケイス機はビームサーベルを抜きざま、ゲイツ機を切りつける。ゲイツはそれを
ビームサーベルで受け止め、新型MSの巨大な足で、ケイスの搭乗するサーディ
ガンを蹴りつける。サーディガンの手からビームサーベルが離れ、サーディガンは
宇宙を舞う。
「ちぃ、なんてパワーだ」
 普通のMSパイロットなら、この衝撃で混乱して何もできないのだが、ケイスほど
の百戦錬磨のベテランパイロットになると、この状況下でサーディガンの体勢を整
えつつビームライフルを構え、ゲイツのMSを狙うことができる。
 経験のなせる技である。
 サーディガンのビームライフルからミノフスキー粒子の塊がゲイツのMSに命中し
た。
 だが・・・。ゲイツのMSは無傷だ。
「クックック、火力不足だなぁ。ええ? ケイス。おっと、そろそろ時間稼ぎも終わり
だ。
 我がA・G・Aは聖地地球へ降下するんだよ。おまえ達連邦はそれを阻止できな
かった・・・。おまえの負けだケイス。フハハハハ」
「待ちやがれ、こん畜生」
 ケイスの叫び声はむなしくコクピットに響くだけだった。
 






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