こんにちわ。呟き尾形です。 共謀罪について 06 の続きです。
共謀罪について 07 国際犯罪に関係なく定めなくてはいけないわけではない
さて、そもそも、共謀罪は、国際組織犯罪防止条約に基づく法整備なのですから、組織的な犯罪の共謀罪の対象を国際的な犯罪に限定すべきです。
しかし、 組織犯罪に効果的に対処するため、各締約国が共謀罪を犯罪とするに当たっては、国際的な性質とは関係なく定めなければならないと明確に規定(国際組織犯罪防止条約第34条2)しており、国際性の要件を付することを認めていないと法務省は解釈します。
これが正しいとすれば、たしかに、組織的な犯罪の共謀罪の対象を国際的な犯罪に限定できません。
が、正しければの話です。
で、その約第34条2項において、「第5条(共謀罪)・・・の規定に基づいて定められる犯罪については、各締約国の国内法において、第3条1に定める越境的な性質又は組織的な犯罪集団の関与とは関係なく定める」とあります。
じゃぁ、そうなのかといえば、実はまったく違います。
なぜなら、「公的記録のための解釈的注」において、同条約第34条2項の規定は「条約の適用範囲を変更したものではなく、越境性国境を越えているか否か)と組織犯罪の関与が国内法化の本質的な要素ではないことを明確化したもの」とされています。
つまり、この規定は、各国が国内法化の際に「越境性」と「組織的な犯罪集団の関与」とを要素とする必要はないことを示したにすぎません。
つまり、これらの要件を設けることが禁止されているわけではないのです。
ですから、「国際性を要件とすることはできません」とはいえないわけです。
さて、実際問題として、国際性を要件としたとき、暴力団による国内での組織的な殺傷事犯の共謀が行われた場合であっても、このようなものは国際性の要件を満たさないことから,これを共謀罪として処罰できなくなってしまい、不合理ですとの指摘があるにはありますが、共謀罪の目的は処罰することだったでしょうか?
国際組織犯罪防止条約は、その名にあるとおり、性質上国際的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用させるものです。
その、国際組織犯罪防止条約に基づく法整備なのですから、国際テロの抑止であって、国内の犯罪を取り締まることではないはずです。
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