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●轟丈太郎
 轟丈太郎が気がつくと、やけにまぶしい白い光の下にいた。
「ここは?」
「おまえみたいな、問題児の救急病院じゃよ。まったく。
 バッテリーをここまで使うなんて。意識が戻ったということは、充電もも
うすぐ終わりだな」
「ドクターJ、ひさしぶり。いて」
「ばかもの。オールサイバーが闇サイバー医とご無沙汰してどうする!」
「いて」
ドクターJと呼ばれた白髪の老人に、ジョーはこずかれた。
「まぁ、こっちも商売だ。もらうものは貰っているんだから、おまえの勝手だ
がな。
それに、闇サイバーからふつうの医者になんかもどれないよ。まぁ、黒輝って
いう奇特な奴はいたがな」
「へぇ、じゃぁ、結構商売繁盛してるんだ」
「ああ、珍しく、女のサイバーがオーバーホールしに来おった。いろんな名前
がメモリされたいたから、ろくなことはやっとらんじゃろうがな。たしか、神崎恵
子ってデータも入っていたな。
 まぁ、汝ら人を裁くな、裁かれざらん為なりってな、人の悪さをとやかく言う前
に、自分の罪を何とかしろと聖書でも言ってることだし、こんな雑談のネタにし
か使えんがな」
「その神崎恵子ってこんな顔じゃなかったか?」ジョーは、記憶メモリを端末に
つなぎディスプレイに恵子の姿を映す
「ああ、そうだ」
「どこにいる?」
「さぁな。そういった仕事ならマコトっていう探偵に聞けばいいんじゃないか?」
(ジンさんがいってたな。牧師はだれをかくまってるって香子さんの話だと、変な
医者が「神崎が私とルーク、そして4人のポーンを教会に出せと言って来たぞ」
 っていってたな。神崎・・・?)
「おやっさん。神崎って人、知ってる?」
「ああ、オレの知っている神崎はサイバー工学、AD技術、遺伝子工学、バー
チャル理論の最新技術全てに精通したスーパーマンじゃな。下の名前はわかる
か」
「さぁ? そのスーパーマンの神崎さんは?」
「神崎博史とかいったかな」
 そこで、雑談は途絶えた。
 ジョーのバッテリーの充電が終わり、闇サイバー医がジョーのオーバーホール
の作業に忙しくなったからだ。

第6回へ

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