登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人
★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
【こんにちわ。なぜかここにいるフォルスですよぉ】
『こんにちわ。講師の呟き尾形です』
「ディナミスって何だろう?」
『ディナミスというのは、可能状態というのを指します』
《可能状態ってなんなのだ?》
形相が含んでいるけれど、それが表れていない状態だね。形相について
はプラトンの時にやったよね?
「形相は、たしか、エイドスは、真実の形のことだったよね」
《それならめぐたんは憶えているのだ。見える形は、ほんとうは、みえる
まんまの形じゃないから、上手に三を描いたつもりでも、ほんとうの三角
じゃないのだ。
だから、ほんとうの形に似ているだけ。だったのだ ( ̄^ ̄)エッヘン》
「そうだよね。
でも、それと可能状態というのは、どういうこと?」
『たとえるなら、赤ちゃんのような状態です』
赤ちゃんは人間だけど、人間として完成された形じゃない。
つまり、形相としては未完成だけど、人間じゃないというわけ。
『そうですね。赤ちゃんを例に例えるなら、肉や骨などの物質的な材料であ
るヒューレ(質量)も、人間としての本質としてエイドス(形相)も備わっ
ています』
「たしかにそうだね」
《よくわかんないのだ》
「本質というのは、それが無くなれば、そのものじゃなくなることだから、
もし、赤ちゃんが人間の本質がないんだったら、赤ちゃんは人間じゃなくな
るということになるよね?
でも、僕らは赤ちゃんは未完成だけど、人間だと判断できるということは、
赤ちゃんは人間の本質をもっているってことだよね」
その通りです。
「でも、引っかかるのは未完成ってことだよね」
『はい。人間として完成された形とは、赤ちゃんから、大人、つまり、人間
として成長させるということになります。
アリストテレスは、そうするために4つの要因があるといいました。
それについては、また次回と言うことにしましょう』
それじゃ、次回は赤ちゃんを大人(人間として成長させる)にする4つの
要因についてだね。
それじゃアルデベルチ。
★★★
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