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呟き尾形の哲学講座
第37回 
 アリストテレス 幸福論5 観想的生活が素晴らしい理由

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
【こんにちわ。なぜかここにいるフォルスですよぉ】
「今回は、なんで、観想的生活が一番いいんだろう? といことだったね」
《そーだ。なんでなのだ?》
『アリストテレスは、観想的生活、つまり頭を使って研究を行う生活の方
がよいという判決を下しています』
 なんで?
『その理由の一つは、研究生活は持続的に行うことができるということで
す』
【勇敢な人は徳を発揮するために戦わなければいけませんし、友情に厚い
人は徳を発揮するために友を助けなければいけませんからねぇ。
 つまり、それを行うチャンスがなければ幸福は訪れないというわけです
ねぇ】
「なんだか、いや話だよね」
 でも、その人が勇敢だ。というためには、勇敢な行為がないとそれがわ
からないし、実感もないものね。
《それに、お友達もいざっってとき助けてくれないとお友達度もわからな
いのだ〜(;^_^A
 でも、お友達をそんな風にして考えることが間違っているような気がす
るのだ》
【まぁ、あくまでそれぞれの徳を体験するためには。ということですから
ねぇ】
『そうですね。
 そして、そうした行為を自足的に、持続的に行うことは難しいわけです』
 う〜ん、たしかに、研究生活は持続的に続けることができるよね。
「しかも、知恵を発揮する生活は自足性・・・えっと、他の行為みたいに
チャンスを待つことなく、やる気になればいつでもできるしね」
『そうですね。そして、ここで言う、自足性は、とりわけ観想活動に認め
られると思います』
《なんでなのだ(?_?)》
【そうですねぇ。生きるために必要なものは、”知恵ある人”も正しい人
も、他の徳ある人たちも必要なのですが、正しい人は、自分が正しい行為
をすべき相手や、その行為を一緒にしてくれる仲間を必要としますねぇ。
 他にも、節制ある人や勇気ある人、その他それぞれの徳ある人について
も事情は同じなんですよぉ】
 う〜ん、たしかに一人だけじゃどうにもならない。
「むしろ、滑稽だね」
《うぷぷ、クニークルスみたいなのだ(= ̄∇ ̄=)》
 な、な、な!
「細かいことは気にしない。だよね。クニークルス君」
『ムーシコスに一本とられましたね。クニークルス。
 さて、知恵ある人は自分自身だけでも観想することができることになり
ます。それは、その人に知恵があればあるほど、いっそうそうなのです』
【もっとも、知恵ある人にもおそらく、仕事仲間はいた方がよいでしょう
けどねぇ】
「それでも、知恵ある人は、その中では、最も自足的だね」
『はい。観想活動だけが、それ自体のゆえに愛着を寄せられるものである
と考えられるます。なぜなら、この活動からは、観想することをこえて
他に生じるようなものは何もないのに対し、行為にかかわる活動からは、
行為のほかに、われわれは多かれ少なかれ、何かを手に入れるからです』
【そうそう、一方、幸福は、”余暇(スコレー)”にあると考えられますよぉ】
《すこれー?》
 お休みとか自分の自由な時間。ってことだね。
「あ、たしかに、ぼくらは、スコレーを得るために暇なしにはたらいてい
るかも」
《あれれ、ムーシコスは働いているのか?》
「いやぁ、ちょっと・・・ね」
【まぁ、なんにしろ、行為にかかわるさまざまな徳の活動が行なわれるのは、
社会的、政治的な事柄や、戦争に関する事柄において。なんですねぇ。
 そして、そうした事柄にかかわる行為は暇なしのもの。といえるわけです
ねぇ
『というわけで、観想活動は、自足性があるわけで、つまり友人や財産をほ
とんど必要としない、という点でも他の生き方よりも優れているといえる訳
です。
 それゆえ研究活動は、持続的で、一人ででき、余裕があり、快楽をもたら
し、それ自体が目的であるので、これこそがもっとも優れたライフスタイル
だというわけです。アリストテレスは神もこのような活動をしているとし、
神的な生活だと述べて研究生活を讃えています』
「なんだか、めずらしくまとまったね」
 となると、次回が何かわからないよぅ。
『では、次回はアリストテレスが考えた政治体制についてにします。
 それでは、アルデベルチです〜』



 

★★★

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