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呟き尾形の哲学講座
第39回 アリストテレス 政治学2 民主制批判

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★

「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
「前回のおさらいをしようよ。
 そうだね。
 1・君主制は、独裁制になりやすい。
 2・貴族制は、寡頭制になりやすい。
 3・民主制は、衆愚制になりやすい。
 ってことだ。
『アリストテレスは、このような体制はどれも堕落してしまい、民衆を完全
に満足させることができないために、革命によってどんどん取り替えられる
といっています』
「あ、そうだ。で、どうして、アリストテレスは、民主制について批判的だ
ったの?」
『アリストテレスは民主制というよりも、むしろダメな体制(衆愚制)とし
てあげていました。
 しかも自分の師のプラトンとおなじように、良い民主制は衆愚制や専制に
とって代わられる不安定なものと考えました』
【例えば、ワイマール体制から、ナチス独裁制とかですねぇ】
《あ、できそこない占い師のフォルスなのだ。久しぶりなのだ》
【久しぶりですぅ。実は、しばらく留守にしていたんですよぉ。
 さて、民主制、つまり、共和制の社会において、共和制に批判的であるこ
とはあまりないものなんですよぉ】
「え? どうして?」
【それは、共和制の社会において、共和制に批判的であれば、あっさり君
主制やら貴族制などに取って代わられるからですねぇ】
 あ、いわれてみればそうだね。
【ですからぁ、共和制社会において、共和制こそ良い制度であるという意見
が多数であるから、共和制社会が成り立つということになるんですねぇ】
『はい。フォルス、解説ありがとう。
 で、問題の種はここです。
 大勢の人の意見は必ずしも正しいということではないのにも関わらず、そ
れが是認されるという現実があります。
 いわゆる、衆愚制になる大きな可能性が含まれています』
《よくわかんないのだぁ〜》
【昔の話だとわからないでしょうから、ちょっと、具体例例をだしてみましょ
うねぇ。
 マスメディアというテレビの報道では、世論調査を行いますが、世論だか
ら正しいというわけではないんですねぇ】
 そういえば、実際、振り返れば、世論が正しくない結論をだしていた。な
んてことは普通にあることだ。
《と、いうことは》
「世論は一切根拠にはならないってことだね」
『その通りです。
 たしかに、大勢の人の意見は参考意見にはなりますが、それは議論ないし、
話し合いがされた結果によるものではなく、個人がどのように感じるかとい
う主観をアンケートとして集計したにすぎないという事実があります』
「それって・・・いわゆる衆愚制じゃない?」
 だね。
 じゃぁ、民主主義って何よ。という話になるよね。
「ちょっと長くなったので、それは、次回というこで」
《それじゃ、あるでべるち。なのだ〜》




 

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