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呟き尾形の哲学講座
第40回
 アリストテレス 政治学3 民主主義の名の衆愚制

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★

「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
【こんにちわ。フォルスですぅ】
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、民主主義とはなんだろう? ということについてだったね」
 民主主義とは、少数の意見であるから無視するのではなく、少数の意見を
皆で吟味して議論をして、皆にとってより正当で、より良い方法を見つけ出す
考え方。
 だね。
『はい。決して選挙と多数決があるから民主主義ってわけではありません』
【でもぉ〜、現代日本における教育において、民主主義とは多数決であるとい
う教わり方されているようですよぉ】
 なんだか、詳しいね。当たらない占い師のフォルス。
【当たらない占い師とは、ひどいですねぇ。
 まぁ、べつに、かまいませんけどぉ、仮に、1000人の中の999人が
同じ意見だって、1人の意見が正しい意見(説得力のある意見)なら本当は、
それを採用することができるのが民主主義なんですよぉ】
《どひゃー\(@v@)/》
「なんだか、道理にあってないような、あっているような・・・」
『もちろん、それは、極端な例ですし、理想であり、理念です。
 大抵は、多数の人が正しいとおもうことが多数になるわけですが、あくま
でそれは正しいから、説得力があるというだけの話で、多数だから正しい。
というわけではありません』
【実際、現実の日本は衆愚制に限りなく近い状態ともいえますねぇ】
 え? もう衆愚じゃない?
 何事も、多数決でやろうとするし。多数決だから正しい。っていう言い方
をたくさんの人がしているさ。
 それに、選挙だって、投票率をきにしているよね。たくさんの人がいない
とだめなんだよきっと。
 なにより、この人、うさんくさいなぁ。と思っていたり、正しいことを
言っている人が落選しちゃう場合もあるもの。
「あ、それって、たくさんの人がその意見だから正しいっていう、衆愚制
じゃない?
【そのとおりですよぉ。
 そんな現実の中、それでも、日本は民主主義の国と言う人が大多数。な
んですねぇ。
 大勢の人の意見は必ずしも正しいということではないんですよぉ】
 むしろ、多数決こそが民主主義っていう言い方をするしね。
「それじゃぁ、共和制から衆愚制に代わっているともいえるんじゃない?」
『そうといえるかもしれません。
 正直なところ、私にも分かりません』
《ところで、呟き尾形。
 じゃぁ、なんで衆愚制がわるいのだ?》
 そりゃぁ・・・なんでだろう?
『そうですね。まず、多数派だから正しいという根拠で多数派の意見が採
用されること、次に多数派の都合によって正しい意見が無視されたり、正
しい理論が捻じ曲げられるという点です』
《どういうことなのだ(@0@)》
【たとえばぁ、多数派であることを根拠にしても、大勢の人の意見は必ず
しも正しいということではないのですよぉ。
 そもそも正しくない判断が、公然とされてしまうという善くない点なん
ですねぇ】
「あ、そうか、なんだかわからないけど、みんながそういっているから、
正しい。という根拠は根拠じゃないし、みんなが自分勝手に正しいとお
もっているから、正しいなんて保証はないんだよね」
《なるほど。間違っているかもしれないのに、間違っていない。なんて
いえないというのは分かったのだ(☆o☆)キラキラ》
『そうですね。
 もちろん、正しいように思える。ということは重要ですが、あくまで、
そう思えるというだけ。それが正しさというわけではないんですね。
 では、どうして正しいと思えるのかが示せないと、根拠の無い主張に
なるわけです』
【他にも衆愚制の悪いところはありますよぉ。逆に、正しいのち無視さ
れたり、正しい理論が曲げられてしまうことですねぇ】
「たしかに、正しいのに無視されたり、正しい理論が曲げられれば、良
い結果がでるわけないよね」
《どういうこと?》
 たとえば、1+1=2であることは誰が見ても正しいとは思うけど、
衆愚制は、これでは都合が悪い人が沢山いて、いやいや、1+1=1だよ。
と大多数の人が言い張ればそれがまかり通ってしまうんだよ。めぐたん。
《なるほど、なんか分かった気がしたのだ》
 いうまでもないけど、1+1=2であることは公理において正しい。
 きちんと理論的に話し合いができれば、10人中9人が1+1=1だと
主張したとしても、それは、そもそも間違いなんだから、1+1=2が正
しいことは説明されることで、10人は全員1+1=2だと採決するはず。
 でも、衆愚制じゃ、それはムリってことだね。
「でも、たしか、民主主義の理念はその正反対じゃなかった?
《ほよよ、民主主義のリネンが実際にできるのだ?  (?_?)」
『それは、次回にしましょう』
 それじゃ、アルデベルチ。





 

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