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呟き尾形の哲学講座
第41回
 アリストテレス 政治学4
  民主主義の理念は実現可能か?

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★

「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
【こんにちわ。フォルスですぅ】
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、民主主義の理念が実際にできるかということについて。だね」
『これがまた難しいです。
 でも、難しいけれど不可能というわけではありません。
 たとえば、民主主義の理念を突き通すシステムとして、陪審員制度の
中の採決の採用の方法があげられます』
《ばいしんいんせーど?》
 その国の中から選ばれた一般人の人たちが、裁判の取調べに参加する
ことさ
《ひゃー、取調べって
 バン!┏( ̄へ ̄;)┓
 (  ̄へ ̄)σオマエガヤッタンダロ-!
 って、あれなのか?》
 ああ、違うよ。取調べといっても、事実関係を明確にして、法律と照
らし合わせることで、必ずしも容疑者、まぁ、疑われる人が一方的にせ
められることじゃない。むしろ、疑わしきは罰せずの精神で、疑われる
人にも権利がみとめられているんだよ。めぐたん。
《む、むずかしいのだ┐('〜`;)┌》
「ま、まぁ、なんにしても、それがどんな風に民主主義の理念が実際に
できているの?」
【それはですねぇ。複数の陪審員において、有罪、無罪を決めることに
おいて、10人中9人が有罪だと判断しても、一人が無罪であると主張
すれば、採決できないってことですよぉ】
「え? 数の多いほうじゃないの? それに採決できない場合もあるん
じゃない?」
【もちろん、採決できないから、有罪でも無罪でもないんですよぉ。全
員一致でなければ、採決はできないことになっているんですぅ】
『もちろん、全員一致で採決するということは、全員を納得させるだけ
の理論はそこに存在するということになります。
 とはいいつつも、それでは、現実的な問題を処理し続けることは不可
能に近いのは事実です。あくまで理想は理想であり、言うはやすし、行
うは難しです』
《なんだ、結局できないんだー( -.-)》
『どうしても、前提として、正しい理論には賛成できるという理性が必
要なんですね。
 でも、本当は、これは、どんな制度にも求められることではあります』
 要は人ってことだ。
『はい。
 まぁ、何はともあれ、共和制は衆愚制に移り変わりやすいという問題点
を抱えています』
「アリストテレスは、だから共和制を批判しているということだね」
【あ、でもぉ、問題は解決されるためにあるんだから、解決しようよと
いうことでもあるんですよぉ】
『そうですね。
 民主主義というのは、その解決策としての一つの方法論でもあります。
それだけに、民主主義が衆愚になるのだけは避けたいと考えます』
 そう、避けたいよね。
『はい。ですから、ちょっと脱線しよとも、民主主義について語らせて
いただきました。
 理念を忘れれば、なんでもかんでも形骸化するものです』
「あ、そういえば、アリストテレスはどんな方法を考えていたの?」
 それは次回のお楽しみってことで。
 アリデベルチ


★★★

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