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呟き尾形の哲学講座
第43回 アリストテレス まとめ

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★

「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
【こんにちわ。フォルスですぅ】
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、アリストテレスのまとめだね」
『はい。アリストテレスは、1年以上にわたっての講座でしたので、それ
をまとめるとなると大変な作業でした。とりあえず、詳細はアリストテレ
スのバックナンバーを見てもらうことにして、大雑把なダイジェスト的な
まとめ方をさせていただきました』
《ほえ〜、それでもながくなるのだ〜(@0@)》
『はい。それでは、はじめます。
 まずは、アリストテレスは、プラトンへの批判からはじまります。
「えっと、プラトンは最初から先験的なイデアがあったから、ハートとい
う概念が出来た。と言い、アリストテレスは逆に経験的に得た情報から
ハートという概念ができた。っていったんだよね」
《どこが違うのだ?》
 イデアを根拠にして、人間はイデア界からうまれながらのイデアを持っ
ている。と考えたプラトンに対して、アリストテレスは、感覚や経験など
を基にした事実を根拠にしているというはっきりとした批判をしていると
いうことだね。
『はい。そして、アリストテレスは自然をとことん整理しようとしました
自然界のありとあらゆる物事はさまざまなグループと、そこからもっと細
かく分かれる小グループに分けられる。とも考えました』
「それは、体験できないイデア界をどうこう言うより、確実に見たり触った
りできることを大切にしたってことだったんだよね」
『はい。
 そして、アリストテレスは、物事の説明をより、厳密にするために、論理
学というもので、物事を説明しました。
「その中でも有名なのが、三段論法だったんだよね」
 そうそう、
 ”生き物はいつかは死ぬ”・・概念A
 ”犬は生き物である”・・・・概念B
 ”ゆえに、犬はいつかは死ぬ”
 という感じで説明をする。
『その通りです。
 整理整頓するためには、分類が必要で、分類するためには基準が必要
になります。
 分類としては、実体、質、量、関係、場所、時間、状態、所有、能動、受
動の10のカテゴリアがあります。
 そして、分類作業は、これまで当たり前すぎて整理されませんでした。
事柄を、整理していくことがアリストテレスの哲学の始まりです。
 これは、目の前にある事実を明確に認識する上でとても重要なことなんで
す。その作業を行うことで、個々に含まれる”本質”というものを見出しま
す。
 物事の本来の性質や姿のことで、本質なしには、そのものが存在し得ない
性質と要素のことになります。
 しかし、赤ちゃんは人間だけど、人間として完成された形ではありません。
 つまり、形相としては未完成でが、完成された人間じゃないということに
なります。
 すると、赤ちゃんは人間じゃないのかというおかしな話になりますが、
アリストテレスはエイドス、可能状態というもので、それを説明しています。
アリストテレスは、赤ちゃんを大人、つまり完成された人間になる
ための4つの要因を挙げました。
 物質的な材料としての質量因。
 人間の真の姿としての形相、すなわち形相因。
 栄養などの作用因。
 目標となる姿形としての、目的因の4つです。
 現在、たとえ、完成されていないにしても、完成を目指していこう。
 というのが、アリストテレスの考えでした』
「あ、なんかそんな感じだったよね」
《大分時間がかかっから、そんな話もあったねぇ。
 ってかんじなのだ(◎-◎)》
 そうだね。それで、アリストテレスは、神が完全な姿だって言ったん
だっけ?
『はい。そして、アリストテレスにとっての幸福とは、神の生活へ近づ
くことでした。
 そして、アリストテレスにとっての神様は、天体の運行の原因だとい
うことです』
「えっと、神様は自分以外の何者にも煩わされることなく、ひたすら思
索にふける完全な理性的な存在だったからだよね」
『はい。そうです。
 そして、アリストテレスは天体は神に憧れて動くと考えました。従っ
て、神は自ら動くことなく他を動かすもの”不動者”であると考えたわ
けです』
 そうそう、それで、アリストテレスは、3つの幸福な状態をあげた。
一つは”享楽的生活”二つ目は”政治的生活”、最後に”観想的生活”
だね。
「たしか、
 享楽的生活は、欲望の満足や快楽を追及すること。
 政治的生活は、名誉と正義を追求すること。
 観想的生活は、真理を追究すること」
『はい。そのとおりです。
 そして、アリストテレスは個人の正義ではなく、正義とは誰にとって
も正しいことという本質を見失わないように、適法と均等の2つの意味
をもたせました』
「誰にとっても適法で、均等であるってことだよね」
『はい。
 これは、私見ではありますが、私は、正義とは能動的に決める
(発明する)ものではなく、(結果的に)受動的に決められる(発見さ
れる)ものなのだと考えます』
「え〜っと、難しくなったから確認するね。
 正義とは公正、公平があり、単に、正義の現れ方が異なるだけで、ま
さしく、正しい道義であり、人が従うべき道理だよ。ってことだよね?」
『その通りです。
 そして、観想的生活においては
人の最終的な目的は幸福である。
 人の幸福とは余暇にある。
 ゆえに余暇のある生活は幸福である。
 観想的生活というのは、余暇をもって哲学をじっくりできる生活のこと。
 つまり、観想的な生活こそ一番の幸福な生活。
 ということになります』
「その次に、アリストテレスの政治についての話になるんだったよね」
 たしか、アリストテレスは好ましい3つの政治体制を述べていたよね。
 1・君主制
 2・貴族制
 3・民主制
「そうそう。それで、
 1・君主制は、独裁制になりやすい。
 2・貴族制は、寡頭制になりやすい。
 3・民主制は、衆愚制になりやすい。
 っていうことを指摘していたんだよね」
『はい。そして、それぞれの悪い部分を補うために、アリストテレスが
一番信頼を置いていたのは”ポリティア”と呼ばれる、民主制と貴族制
(&王政)が入り混じった、いわば混合的な”良い民主制”なのです』
「えっと、ポリティアにおいては、中間層(ミドルクラス)を作ること
が重要で、多数が支配する、つまり、みんな、権利として平等な支配権
をもっているってこと。だったよね」
『はい。まさに、政治体制として、民主制が実現しうるものです。
 共和制は多数決を根拠にします。しかし、ポリティア、つまり民主制
は、支配者としての権利と義務をもつことになります』
《ぷは〜。長かったのだ》
 実際、アリストテレスで1年以上やっていたからね。
「まとめも長くなるわけだね」
《じゃぁ、次回は? (?_?)》
『ヘレニズムの哲学と称して、代表的な4人の哲学者を紹介します』
 それじゃ、アリデベルチ!
 




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