ホーム > 目次 > 呟き尾形の哲学講座

呟き尾形の哲学講座
第45回 ヘレニズム哲学 デュオゲネスの歩み

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、ディオゲネスという人についてだったよね」
『今回は、ディオゲネスについて初回なので、ディオゲネスの生い立
ちを紹介しようと思います。
 まず、ディオゲネスはBC410頃〜BC323頃の人物です』
 相変わらず、曖昧なんだね。
『まぁ、昔であるということもありますし、あまり記録に几帳面。
という民族ではなさそうですから』
「それで、ディオゲネスってどんな哲学者だったの?」
『そうでした。ディオゲネスは、黒海南岸のシノペ(現在のトル
コのシノプ)に生まれ、アテネでキニコス派の祖、アンティネスに
ついて学んだそうです。
 その哲学を軽く紹介すると、自然的な必要な満足のみが幸福の源
泉であるとして、これに反する、道徳・習慣・法などの人為をすべ
て退けたそうです』
《どーとくも、しゅーかんも、ほーもダメなんて、非常識なのだ
 w(▼o▼)wシンジラレマセーン!》
 ムーシコスならともかく、めぐたんが言うと説得力がないよ。
《なにおぅ(-""-;)ムム・・・》
「まぁ、まぁ、口が悪いのがクニークルスだから」
『とりあえず、先に話をすすめますね。
 また、身体と精神を鍛錬することで魂の自由が確保されるとして苦
行を重んじたそうです』
《くぎょー? (?_?)》
 辛くて大変なことをわざとおこなうことさ。めぐたん。
《しんじられなーい┐('〜`;)┌》
「そうだね。なんでそんなことをしたんだろう?」
『それについては、後で話すことにしましょう。
 実際、当時の常識をもってしても、奇行で知られています。
 特に樽を住まいとしていたことから樽の哲人と称されました』
《たしかに、普通じゃない変わった人なのだ(@0@)オドロキ》
『そうですね。
 ただ、ディオゲネスの国家を認めない生き方は、ヘレニズム時代に
特徴的なコスモポリタズム(世界市民主義)につながることになります』
「コスモポリタズムって何?」
 コスモポリタズムとは、家や都市、国家への帰属を拒否し、宇宙(世界)
のいたるところを住処とするという考え方さ。ムーシコス君。
『ところで、ディオゲネスは先ほど述べたように、樽の中に住んでいた
そうです。そして、持ち物といえば、体にまとった布と杖とずだ袋だけだっ
たそうです』
《たんなるびんぼー人だったんじゃぁ・・・(;¬_¬)》
『それは、ディオゲネスが自らの哲学に従ったからこその行動だといえる
でしょう』
「えっと、それは、自然的な必要な満足のみが幸福の源泉であるとして、
これに反する、道徳・習慣・法などの人為をすべて退けた。ってことと関係
するの?」
『はい。
 それを象徴するようなエピソードがあります。
 ある日、アレクサンドロス大王がディオゲネスを訪ねたとき、ディオゲネ
スに言ったそうです』
《アレクサンドロス大王ってまたまた出てきたのだ。
 でしゃばりな人なのか? Σ( ̄□ ̄;)》
 あ、いや、それだけ、時の人だったということだよ。めぐたん。
『そうですね。
 その時代を象徴する大人物だといえるでしょう』
「で、アレキサンドロス大王は、ディオゲネスに対して、何と言ったの?」
『それは、
 ”なにかお望みはありませんか? すぐにかなえてあげましょう”
 と言いました』
「へぇ、ずいぶんかしこまった言い方だね」
『そうですね。
 するとディオゲネスがこう返事をしました。
”そこをどいてください。私が日陰になっている”』
(*`▽´*)ニヤリング
「(*^0^*)」
《ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!》
『この言葉でディオゲネスは、自分が偉大な征服者よりも満ち足りた生を
送っているということを示しているといえますね』
「たしかに」
『ところで、このエピソードから、アレキサンドロス大王と同日に没したと
も言われているが、真偽はさだかではありません』
「でも、そんな風に思いたくなるような関係にかんじるよね」
『次回は、その一つ、ディオゲネスの哲学であるキュニコス学派についてです』
 それじゃ、アリデベルチ!


★★★

前へ     次へ    

質問、感想などは 、呟き尾形の哲学講座 掲示板に書き込みしください。

 

目次へ戻ろう