ホーム > 目次 > 呟き尾形の哲学講座

呟き尾形の哲学講座
第57回 ヘレニズム哲学 キプロスのゼノンの歩み

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。ケガが治ったばかりの、呟き尾形の哲学講座
の生徒のムーシコスです」
 まったく、ひどい目にあったよ・・・。
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は・・・」
 呟き尾形の哲学講座の第44回のヘレニズム哲学
 http://homepage2.nifty.com/SON/tetugaku/TETU44.htm
 だと、3番目。ってことになるね。
『そうですね。今回からは、ストア派とくに、キプロスの
ゼノンを中心に進めたいと思います』
「ゼノンって、アキレスとカメのパラドックスの?」
《ほえ? カメにアキレス腱があるのか? 
 ( ̄ε ̄;)シラナカッタノダ》
 いや、めぐたん。
 アキレスとカメのパラドックスというのがあって、亀を
追い越そうとするアキレスが亀のいた地点に達するまで
に、亀はその地点より少し先に進んでいる。だからアキ
レスは亀に無限に近づくことはできるが追い越すことは
できない、という議論のことだよ」
《なるほど〜》
「え? わかったのめぐたん」
《ぜんぜん、さっぱり、わからないのがわかったの
だ( ̄ー ̄キッパリ》
『はは、まぁ、それは、今回のキプロスのゼノンではなく
エレアのゼノンで、別人の提示したパラドックスです』
「パラドックス?」
 普通の認識やら常識とは、正反対の表現で、本当のこと
を言い表そうとする、事の真相を表そうとする言い表すこと
さ。
『そうですね。
 パラドックスは、哲学のテーマになりえますが、今回は、
キプロスのゼノンのお話です』
《どう違うのだ?》
『まず、キプロスのゼノンは、ストア派という、欲望や感
情を抑えることで、幸福にいたろうとする禁欲主義の祖と
されています。
 先ほど、話題にあがりましたが、エレアのゼノンと区別
するため、キプロスのゼノンと呼ばれています。
 キプロスのゼノンの出身は、出身は、その呼ばれ方にあ
るとおり、キプロス島です。
 キプロスのゼノンは、22歳のとき、アテネにでて、諸
学派について学び、講義をして絶大な人気を得ていたとい
われています』
「きっとわかりやすい講義だったんだろうね」
『少なくとも、魅力のある講義だったのでしょうね。
 その、キプロスのゼノンの講義をした講堂は、ストア=
ポイキーレ(壁画のある柱廊)と呼ばれ、このことから、
キプロスのゼノンからはじまる学派を、ストア派と呼ばれ
るようになりました』
 その肝心な内容は?
『いかに賢明に生きるかを究明する実践哲学を中心に、
論理学、物理学、倫理学を研究したそうです。
 そして、キプロスのゼノンによれば、自然と合致して
生きることが内的満足として、幸福につながると主張
しています』
「どういうこと?」
 まぁ、自然とぴったり一致していきること、つまり、
自然のままに生きることが結局、満足につながるって
ことだね。
 そして、満足できるということは、幸福になる。
 ってことだ。といったってことさ。
『そうですね。
 そして、キプロスのゼノンは、それは理性とも一致
して”心の平静”と呼ばれるものだともいいました。
 72歳の頃、ケガをしたことから、自分には価値が無
いとして自殺したといわれているキプロスのゼノンですが、
そのキプロスのゼノンが、主張した”心の平静”について
は、また後日にお話するとします』
 おっと、ということは、次回に持ち越し。
 ということだね。
『はい』
 それじゃ、アリデベルチ。
 

★★★

前へ      次へ    

質問、感想などは 、呟き尾形の哲学講座 掲示板に書き込みしください。

 

目次へ戻ろう