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呟き尾形の哲学講座
第61回 ヘレニズム哲学 ストア派4
      禁欲主義(ストア派)と快楽主義

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、どんな風にしたら、ロゴスに従って生きる事になるかという
ことだったよね」
『はい。まず、ストア派は、人間の魂の中にある理性がロゴスに相当す
るものだとかんがえました。
 ですから、理性に従って生きることこそ、自然の秩序に従う、つまり、
ロゴスに従うことだと考えました』
《ふに、それがロゴスに従う事なのか?》
「自然の秩序とロゴスは同じってことなんだね。
 でも、具体的にどういうことなの?」
 自然の秩序に従うというのは、欲望や快楽に支配されないということ
だよ。
 ムーシコス君。
《おりょりょ、”よくぼう”とか”かいらく”って、自然な事なんじゃい
のか?》
『そうですね。
 欲望や快楽そのものは、自然なことです。
 しかし、欲望や快楽にかき乱されて、理性を曇らせる事は、自然では
ないとストア派は考えたのです』
 実際、日常生活じゃ、快、苦、健康、病気、富裕、貧困、美、醜など
で、非理性的感情というパトスに支配され、自然に生きていくのに不要
な欲望や快楽を求めるために、本末転倒なことをしてしまっているとい
うことだね。
 シニョール呟き尾形。
『はい。
 たとえば、人は確かに欲望を持っているのは自然なことです。
 しかし、食欲は生きるために必要なものを満たせばいいのでしょうが、
パトス(非理性的感情)が強く、食べたいという気持ちだけで、食べて
しまうと、食べ過ぎておなかを壊してしまいます。
 これでは自然なこととはいいません』
《ふに、なんだか聞いた事があるのだ》
「エピクロスも同じような事、いってなかった?」
 そうだね。ムーシコス君。めぐたん。
 エピクロスは、理性に過剰な欲望を抑えるのではなく、自然な欲望で
満たされたとしようという考え方だったんだね。
 一方、ストア派は、ロゴスを根拠に過剰な欲望を禁止したわけだ。
《どっちとも、同じにきこえるのだ〜》
『そうですね。
 エピクロスもストア派も、考える視点の違いで、目的は同じなのか
もしれません。
 エピクロスは、少しの欲望を満たすことで大きな快楽が得られると
考え、”苦”の無い状態と、持続的な快楽こそ、幸福であると考えま
した。
 つまり、欲望を禁じるわけではなく、制御しようとしたのです。
 それに対して、ストア派は、強い自制心をもって、禁欲し、
情念と欲求に惑わされること無く理性の身に従う理想を達成できる
不動心(アパティア)に達することが求めたのです。
 つまり、欲望を禁じることで、強固な理性を求めたといえるで
しょう。
「う〜ん、エピクロスとストア派の違いはわかったけど、じゃぁ、
ストア派って、それをどんな風に考えての?」
『それについては、次回で説明したいともいます』
 それじゃ、アリデベルチ。

★★★

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