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呟き尾形の哲学講座
第71回 ヘレニズム哲学 新プラトン主義
        ヌースについて

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、なにについてなの?」
『今回は、ヌースというものについてお話したいと思います』
《ムース?(^¬^) 
 ムース大好き。プリント一緒に食べれば最高なのだ(´0`) =3
 あのふわふわな食感がたまらないのだ(☆o☆)キラキラ》
「いや、めぐたん、それはムースだよ」
「そうそう、ムーシコスの言うとおり、ムースとヌースは
まったく違うんだ。めぐたん。
 ムースは美味しい食べ物だけど、ヌースは、食べ物じゃない。
ヌースは、知性や、精神や、理性であり、イデアを認識する
ための理性的能力のことだよ。
 そうだね、シニョール呟き尾形。
『そうですね。
 ヌースは、”一者”から最初にあふれるのが、知性である
とプロティノスは考えました。
 そして、プロティノスは、知性から世界霊魂が生じ、イデア
界をつくるとしました』
「まって、それは、人間だけの話?
 犬や猫とかの動物とかも関係するの?」
『そうですね。
 プロティノスによると、世界霊魂から、人間や動物などの魂
をつくりだし、最後に物質が生じ、感性界がつくられると
いわれています。
 そして、”一者”は完全ではあるものの、流出の段階を経る
ことで、完全性は劣化していくものだとプロティノスは考えます』
「それは、まるで、アナログダビングみたいだね」
《どういう意味なのだ?(・_・?)》
 1回目のダビングでは、オリジナルより多少劣化するけど、ダ
ビングを重ねるたびに、その完全性は衰えていくようなイメージ
さ、めぐたん。
『そうですね。
 人間においては、肉体を持っている時点で、感性界に属している
とされています』
「じゃ、人間はレベルが低いって事?」
『いいえ、人間は肉体こそ感性界にぞくしていますが、魂は、
イデア界に属しています。
 つまり、動物的な部分と理性的な部分を持つが、どちらの部分に
従うかによって、人間は動物にも神にもなるとプロティノスは、
考えました』
「それって、人間は自分の意思で、何にでもなれるということ?」
《ふに、みんな、変身の魔法がつかえるのかぁ〜、すごいの
だ(⌒▽⌒)》
 いや、むしろ、人間は幸福になろうと思うのなら、魂の上昇を
たどらねばならないということじゃないかな。
「どういうこと?」
『より幸福になるためには、理性的に”一者”に近づかなければいけない
とプロティノスは考えたのです』
「どうして?」
『本能や欲求のままに動くのでは動物と一緒で、本能や欲求をも
制御できる理性こそが、幸福に近づくと考えたようです』
「えっと、つまり、ヌースというのは、理性の源ってことだよね?」
『はい、つまり、ヌースとは、理性や精神の源であり、”一者”と
この世界を結びつける存在だといえます。
 ”一者”、ヌース、この世界の三分法は、キリスト教の三位一体説
へと受け継がれていきました。
 じゃ、今回はここまでだね、
 それじゃ、アリデベルチ。
 

★★★

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