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呟き尾形の哲学講座
第77回 中世哲学 教父哲学 フィロンの歩み

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、何についてなの?」
『今回は、中世哲学のはしりとなった教父哲学の代表的存在の
フィロンの歩みについてお話したいと思います』
《きゃー、キョーフ哲学というと、ホラー映画みたいなの
か?(||@Д@)
 それも、アイロンだなんて恐ろしいのだ(* ̄ロ ̄)》
 恐怖じゃなくて、教父。
 古代キリスト教会の代表的神学者。カトリック教会では、その
中でも正統信仰をもち、模範的な生涯を送ったとして特に公認さ
れた人々をいうんだよ。めぐたん。
「ということは、神父さんなんだね」
『そいういうことになりますかね。
 フィロンは、古代アレクサンドリア、今のエジプトで活躍した
ユダヤ人哲学者です。
 アレクサンドリアのフィロンとも呼ばれています。
 フィロンの著作はほとんどが残っていて、大部分が、創世記を
始めとしていわゆるモーセ5書の解釈と注釈だそうです。
 フィロンは、モーセに関する著書が多いことから、モーセの
哲学とも呼ばれています。
 フィロンは、豊かなギリシア哲学の知識をユダヤ教思想の解釈
に初めて適用した哲学者だともいえるでしょう』
「今までやっていたヘレニズム哲学とキリスト教が結びついた。
 ってことだね」
『そうですね。
 ただし、フィロンはギリシア哲学に重きをおきましたので、
フィロンの業績はユダヤ人には受け入れられませんでした』
《ふに、なんでなのだ(・_・?) 》
『ユダヤ人のための宗教であるのにもかかわらず、外部から、
ギリシア哲学を取り入れたばかりか、ギリシア哲学に重き
をおいたためでしょう。
 ただし、フィロンの哲学は、初期キリスト教徒に受け入れ
られ、キリスト教思想のルーツの1つとなりました』
「いろいろ複雑みたいだね」
『そうですね。
 さて、このフィロン、歴史。
 という視点からみると、書籍はのこっていても、フィロン
個人のことはあまり分かっていないようです。
 ただ、フィロンの甥は、甥アレクサンドロ=ティベリウスは、
パレスティナのローマ総督であったこともあって、フィロンは、
名門の家柄だったといえるでしょう』
「じゃぁ、フィロンって人は、アレクサンドリアのユダヤ社会
を代表する人物だってことだよね」
『そうですね。
 フィロンは、アレクサンドリアのユダヤ人共同体(ディアス
ポラ)の指導グループに属していたようです。
 そのことはフィロンがユダヤ人の代表団の一人として皇帝カ
リグラへの陳情のため、ローマへ旅行したことからわかってい
ます』
「陳情ってことは、なにか悪い事をしたの?」
『はい。
 当時、アレクサンドリアのユダヤ人とギリシア人の間で紛争が
起こったそうです。
 その陳情のさい、皇帝ガイオスは、フィロンの弁明を途中でさ
えぎり、彼に退出を命じたそうです。
 このことから、ガイオスがたいそう立腹したのは明かでした。
 そこで、フィロンは、ユダヤ人に処罰が下るのを恐れた同伴者
に向かって、
”ガイオスはわたしたちに怒りを示したが、彼はすでに神を敵に
まわしている。だからあなたがたも勇気を持つように”
 と言ったと伝えられています』
《なんだか、すごいのだ〜(☆o☆)》
 じゃ、今回はここまでだね、
 それじゃ、アリデベルチ。
 

★★★

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