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呟き尾形の哲学講座
第84回 中世哲学 アウグスティヌス 悪とは何か?

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は何についてなの?」
『今回は、アウグスティヌスが考えた、悪とは何か、ということに
ついてお話したいとおみます』
「なんだか、哲学っぽいわだいだよね」
『ま、まぁ、哲学のメールマガジンですから・・・。
 さて、アウグスティヌスは、若い頃、マニ教を信奉していたそう
です』
《まにきょう?(・_・?) 
 マニキュアの一種か?(@0@)》
 マニ教だよ、めぐたん。
 マニ教は、ゾロアスター教にキリスト教グノーシス派・仏教など
の諸要素を加えた宗教で、三世紀にマニが創唱したことから、そん
な風によばれたんだ。
「ということは、そのころ、マニ教は盛んだったの?」
『はい。当時、マニ教は、盛んな宗派で、宗教と哲学を半々に混ぜ
合わせたような、癒しの教えをといていました。
 マニ教は、世界を前と悪、光と闇、霊と物質という二元論で物事
をかんがえていたそうです。
 そして、霊の力が、人間を物質の世界から引き上げて、魂を救済
されるとしていたそうです
 これは、マニ教が、グノーシス主義などの、オリエント思想に影
響がうけたとされています。
善悪二元論をとり、世界は,神に背き堕落した創造神によって創ら
れたとしていました』
「じゃぁ、アウグスティヌスは、マニ教を哲学にしたの?」
『いいえ、それは、初期のころです。
 初めはそのようなグノーシス主義の一派であるマニ教に傾倒して
いました。
 しかし、マニ教を知れば知るほど、なんでも二つにはっきり分け
る事に疑問を抱いていたのです。
 そこで、アウグスティヌスは悪の起源は何かという問題にこだわ
ることになったのです。
 やがて、アウグスティヌスは、新プラトン主義にふれて、そし
て天啓という神秘体験を経て,キリスト教に回心することになっ
たのです』
《新プラトン主義はきいたことがあるのだ(◎_◎;) 》
「プロティノスの話しのときにやったじゃない。
http://homepage2.nifty.com/SON/tetugaku/TETU65.htm」
《ああ、忘れていたのだヾ(@^▽^@)ノテヘヘ》
『さて、アウグスティヌスは、新プラトン主義に出会って,善悪
二元論から決別しました。
 しかし、新プラトン主義では,万物は完全な一者から流出する
ものですから、原理的には善しかないはずであるということに
なってしまいます。
 さらに、現実を見れば、この世には悪があるのは、自明です。
 さらに、アウグスティヌスは少年時代、禁じられていることを
するのがかえって面白かったという理由で梨を盗むなどというこ
とまでしていたのです』
《アウグスティヌスも悪よのぅ(ー.ー )》
「じゃぁ、アウグスティヌスは違う哲学になったの?」
『いいえ、そこがアウグスティヌスの有能なところです。
 アウグスティヌスは、悪を善の欠如と考えたのです。
「なるほど、プロティノスも闇があるんじゃなくて、光が届い
てないだけだっていったのと似ているね」
 なるほどねぇ。真実というのは、アプローチがちがっても、
共通するもんだね。
 それじゃ、アリデベルチ。

★★★

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