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呟き尾形の哲学講座
第85回 中世哲学 教父哲学
      アウグスティヌス 信仰とはなにか

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は何についてなの?」
『今回は、アウグスティヌスの信仰についての考察について
説明したいと思います』
「中世哲学って、宗教と切っても入れないみたいだね」
『そうですね。
 アウグスティヌスは、神は、無から人間を創造したと考えて
いました。
 そして、神は、完全で存在をもち、善であるが、無から作られ
た限り、存在と善を欠いていると考えました』
《ふに、よくわからないのだ(>O<)》
『人間は、何も無いところスタートしたのだから、欠如した状態
でスタートしたわけで、それを埋め合わせるために、人間は、さ
まざまなものを求めるとアウグスティヌスは考えたということです』
「最初から完全で、善なら補う必要はないけれど、そうでなければ、
おぎなわなければいけないということだね」
『はい。
 これをアウグスティヌスは、クピディタスと呼んだそうです』
《くびだす?(o ̄ー ̄o)
 どこから首を出すのだ?(・_・ )( ・_・)
 めぐたんは、ギロチンにはのらないのだ(>_< )( >_<)ブンブン》
 クピディタスだよ。
 クピディタスは、悪と知っていて心の欠如を生めるために世にさま
ざまなものをもとめる欲望のことだね。
 めぐたん
《ちんぷんかんぷんなのだ(||@Д@)》
『まぁ、欲望ということだね。
 アウグスティヌスは、欲望は、空虚なものを空虚なもので埋めよう
とする行為にすぎないため、欲望によって人間は永遠に満たされない
と考えました。
 つまり、空虚を空虚で埋めるので満たされることはないということ
です』
「う〜ん、じゃぁ、アウグスティヌスはどうすればいいって言ってい
るの?」
『アウグスティヌスは、クピディタス、つまり、欲望を神に向けると
きに、カリタスという神への愛に昇華させることで、クピディタスを
抑制してカリタスを目覚めさせることをアウグスティヌスは勧めまし
た。
 このような人間固有の自由意志と欲望という性質が原罪であるとア
ウグスティヌスは解釈しました』
《ふに、ゲンザイって今の事じゃないのか?(◎_◎;) 》
 現在じゃなくて、原罪だよ、めぐたん。
 キリスト教で、人類の祖が犯した最初の罪のことだね。
《ふに、どんな罪なのだ?(;'◇')》
 旧約聖書創世記に記されている原罪は、エデンという楽園で、食
べてはいけないといわれた禁断の木の実があって、それを食べてみ
ないかと、蛇にそそのかされたイブとともにアダムが神にそむいて
禁断の木の実を食べたことだね。
 つまり、神に食べないようにいわれた禁断の木の実を食べた罪
を、アダムの子孫である人間は生まれながらに罪を負うとされる
んだよ。めぐたん。
《自分がやってもないことなのにぃ、納得できないのだ〜q(//▽//)p》
『たしかに、自罪、つまり、キリスト教で、各人が自己の意志に
基づいて犯した罪なら納得するのでしょうが、アウグスティヌス
は、クニークルスが説明したように、原罪は、最初の人間である
アダムが自分の意志で禁断の果実を朽ちにしたという罪を犯した
からだと考えたのです』
「なにか、根拠とかあるの?」
『いいえ、この罪をとなえるのは、イエズスだけなので、人は彼
を信じるしかないとアウグスティヌスは主張したのです。
 信仰の根拠を意志の次元にある点に、アウグスティヌスの主意
主義があるといえるでしょう』
「主意主義ってなに?」
『主意主義とは、意志を知性よりも優位とする立場のことです』
《なっとくいかないゲンザイだけど、どうすればいいのだ?(・_・?)》
『はい。
 原罪による空虚さを埋めることが出来るのか.その欲望を神
に向けるのであるとアウグスティヌスは考えました。
 このとき、それは神への愛としてのカリタスとなるわけです。
 いかに合理的であろうとも、魂を救うことが出来なければ、
それは真の知識とは呼べないわけです。
 アウグスティヌスは、信仰の光によってのみ、知識は真理と
なると主張しました』
 それじゃ、アリデベルチ。
 

★★★

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