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呟き尾形の哲学講座
第103回 中世哲学 スコラ哲学
 トマス・アクィナス
 神の存在証明 3 神にいたる道

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、神の存在証明の続きなの?」
『はい。
 トマス・アクィナスは、神にいたる道は2つあると考えてい
ました』
《ふたつもあるのか〜(||@Д@)。
 ひとつめは何なのだ?(◎_◎) 》
『ひとつは、純粋な信仰と掲示です』
《おしんことケーキとは、珍しい組み合わせなの
だ( ̄□||||!! エッ…?》
 信仰と掲示だよ、めぐたん。
 信仰というのは、神仏などを信じ崇めることだよ、特に純粋な
信仰といえば、経験や知識を超えた存在を信頼し、自己をゆだね
る自覚的な態度のことだね。
 啓示は、人の力では知り得ないことを神が教え示すことだね。
 めぐたん。
「もう一つは?」
『もう一つは、理性と感覚、つまり、トマス・アクィナスは、道理
として神の存在が証明できると考えたのです』
 つまり、無条件に信じあがめたり、人知で知りえないから、道理
では考えないわけじゃないってことだね。
 シニョール呟き尾形。
『そうですね。
 トマス・アクィナスは、二つ目の、理性と感覚において、神の証明
のしかたを5つの道として示したしました』
「その5つって、どんなものなの?」
『神の存在証明の5つの道を順番にあげると、
 一つ目が、不動の動者(アリストテレス『自然学』第8巻)
 二つ目が、作用因の第一のものの要請(『形而上学』第2巻)
 三つ目が、なんらかの仕方で存在をもつあらゆる物にその存在性を
与えている普遍的で包括的な原因,創造因
 四つ目が、種々の主張の真理性が比較しうるという事実から,基準
としての絶対心理を要請する(『形而上学』第2巻)
 五つ目が、世界に秩序があるという事実から,摂理によって世界を
統べるものを推論する(『自然学』第2巻)
というものです』
《いっぱいあって、その上なにがなんだかわからないの
だ(((\(@v@)/)))》
『まぁ、5つとも共通しているのは、アリストテレスの不動の動者の
観点からの証明ということが共通しています』
「つまり、神の証明に必要なのは、アリストテレスの不動の動者の
視点が必要ってこと?」
『はい。
 トマス・アクィナスはそう考えたようです』
《ふに、そのぶどうのドレミって食べ物なのか(-""-;)ムム・・・》
「不動者の動者だよ。
呟き尾形の哲学講座
第33回 アリストテレス 幸福論1
http://homepage2.nifty.com/SON/tetugaku/TETU33.htm
 で話があったけど、
 アリストテレスは天体は神に憧れて動くと考えて、神は自ら
動くことなく他を動かすものとして、不動者であるって考えた
んだよね」
『そうですね。
 5つの視点いずれも、不動の動者の観点からの証明ですが、
これは、 人間がすべてには第一原因があるはずだと認識できるのは、
人間に理性があるからだと、トマス・アクィナスは考えたからです。
 そして、アリストテレスも、物事の原因を突き詰めていけば、原因
が無限に連鎖するのではなく、第一原因があると考えました』
「どうして?」
『仮に、無限に続くのであれば、第一原因か存在しないことになるから
です』
《そのだいいちげんいん、ってほんとにあるのか?(¬o¬)》
『あります。
 なぜなら、物事には必ず始まりがあるからです。
 つまり、第一の原因が存在していることになるのです』
「なるほどね〜、必ず始まりがあるなら、物事の第一原因はなくちゃ
始まらないものね」
 それじゃ、アリデベルチ。
 
 
 

★★★

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