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呟き尾形の哲学講座
第114回 中世哲学 スコラ哲学
 ドゥンズ・スコットゥス このもの性

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、何についてなの?」
『今回は、このもの性についてお話ししたいと思います』
《ふに、子供の妖精がどうかしたのか?(ノ´▽`)ノ》
 このもの性だよ、めぐたん。
 えっと、意味は・・・どう言う意味? シニョール呟き尾形。
『このもの性は、ドゥンズにおける知性的認識の対象は、あら
ゆる存在としての存在です』
「なに? それ?」
『世界に存在する知りうるものは、実は、類でも種でもなく、
実際に存在する固体です』
「どういうこと?」
『たとえば、世界中の人間を人類というひとくくりにすることは
可能ですが、実際に存在しているのは、一人一人の人間であって、
人類というひとくくりするもの自体は実際に存在していないとい
うことです』
《ふに、どういうことなのだ?(lll ?_?)》
「えっと、たとえば、人は人類とひとくくりにできるけど、人類
という人はいないってことだね」
『そうですね。
 他にも、小学校に在学している児童は、小学生とひとくくりに
できますが、小学生という個人はいません。
 それでもなお、人類といえば、実際に存在する人たちを認識する
のは、人間の精神が、概念的抽象によってではなく、知性的直観に
よって、固体的存在を知り得るわけです。
 この知的直観が、認識するものは、単一の固体的存在の”このもの性”
と、ドゥンズは呼び、個々の事物の間に共通性の性質があると認
めているわけです』
「えっと、個別に存在するものを分類することはできるけど、大切
なのは、分類された定義じゃなくて、個別のものだってこと?」
『そうですね。
 もちろん、個別の存在に共通の性質があり、あるわけです。
 しかし、ドゥンズは、この固体化の原理に着目し、あるものがあるもの
になるという固体化の原理があるとすれば、その存在原理は一義的でなけ
ればならないと主張しました』
 えっと、このもの性があるってことは、存在原理は、一つの意味にしか
解釈できないってことかな、シニョール呟き尾形。
『そうですね。
 つまり、存在という最小の概念をさまざまに定義することではなく、その
原理にこそ普遍性があると考えたわけです』
 それじゃ、アルデベルチ。 

 
 
 

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