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呟き尾形の哲学講座
第121回 中世哲学 神秘思想
 エックハルトの歩み

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回から新しい哲学者だよね」
『はい。今回から、エックハルトについてお話ししたいと思います』
《えっぐはっと?(@0@)
 卵の帽子か?(〇Д◎ノ)ノカリメロー!!》
 エックハルトだよ、めぐたん。
 エックハルトは、中世ドイツのキリスト教神学者、神秘主義者だね。
『そうですね。
 エックハルトは、1260年頃ドイツのチューリンゲンにて生まれます』
 チューリップでもチューインガムでもないからね。
 ドイツを構成する16の連邦州のひとつだからね。
 めぐたん。
《にゃはは(*^0^*)》
『エックハルトは、タンバハという村で生まれたと推測されています。
 ちょうどエックハルトが生まれたころ、トマス・アクィナスはパリ
大学神学授であり、ボナヴェントゥラがフランシスコ会の総長に選ば
れています』
《ふに、トマトがナイスでうまい?(^¬^)》
「前と同じ聞き間違いをしているよ。
 めぐたん。
 トマス・アクィナスについては、前に哲学講座で話をきいたよね
第108回 中世哲学 スコラ哲学
 トマス・アクィナス まとめ
http://homepage2.nifty.com/SON/tetugaku/TETUA08.htm 」
《そうだったっけ?( ̄_J ̄)?》
『さて、話をつづけましょう。
 エックハルトは、パリ大学にてマイスターの称号を受け、トマス・
アクィナス同様、同大学で二度正教授として講義を行ったそうです』
「じゃぁ、熱心な正統派キリスト教徒なんだね」
『いいえ。
 どうもそうでもないようです。
 実際には異端思想で宗教裁判にもかけられていて、死刑にならな
かったのが不思議なくらいの人物だったようです』
《そんなに悪いことをしていたのか?(((\(@v@)/)))》
『悪いというか、神学者として、エックハルトの発言が問題視され
たのです。
 たとえば、何故に神は人となり給うたか? 私が同じ神として生れ
んがためであるというものです。
 このエックハルトの言葉は当時の教皇によって断罪されました』  
「どうして断罪されちゃったの?」
『当時は神は人から遠くに置いた特別で厳かな存在であるのですが、
エックハルトは、その逆に、神は身近な存在であるとし、人が神に
なれるという発言をしたことになったからですね』
《ふに、それでえっくはるとはどうなったのだ(◎0◎)ドキドキ》
『エックハルトは、教皇の断罪に対し、弁明書を提出し、当時教皇
庁があったアヴィニョンで同じく異端告発を受けたウィリアム・オッ
カムとともに審問を待つ間に、エックハルトは没したそうです』
《なんかかわいそうなのだ(。>ω<)グスン》
『エックハルトの死後、エックハルトの命題は異端の宣告を受け、
著作の刊行・配布が禁止されたてしまいました』
「え? 死んだ後もそんなことがあったの?」
『それだけ、エックハルトは教会にとって鋭い指摘をしたということ
でしょう。
 ともあれ、この異端宣告によって、エックハルトの記録はほとんど
失われてしまいましたが、その生涯は弁明書等から再構成することは
ありました。
 不明な部分が多く残されてはいるものの、いくつかエックハルトの
エックハルトのこした言葉にこのような言葉もあります。
 ”神御自身がわれわれと共に悩み給うのである。まことに、真理を認
識する者は私の言葉の真なることを知るであろう。神は人と共に悩み
給うのみならず、実に、神のために悩む人よりもむしろ神の方が比較
を絶して激しく神御自身の仕方で悩み給うのである。そこで私は言い
たい、悩むことを神御自身が欲し給うのであれば、私も当然悩んで然
るべきであると”』
「神様がぼくたちと一緒に悩むなんてちょっと考え付かなかったな」
 たしかに、神様というと、とっても遠くにいて特別な存在ってイメージ
があるからね。
 ムーシコス君。
『エックハルトの神秘主義の特徴は内的な経験や精神的な直感を重視しつ
つも、それらを厳密な思考によって裏付けようとしたことにあるといえる
でしょうね』
 それじゃ、アルデベルチ。 



 
 
 

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