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呟き尾形の哲学講座
第122回 中世哲学 神秘思想
 エックハルト 神との合一

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回は、エックハルトのあゆみについてだったけど、今回は
エックハルトの何についてなの?」
『エックハルトは、神についてさまざまな考察をしました』
《ふに、えっくはるとは、紙をつくっていたの
か(。・w・。 ) ププッ》
 え〜っと、ペーパーじゃなくて、ゴッドのことね。めぐたん。
《英語はわからないのだ( ̄_ ̄|||)どよ〜ん》
「ペーパーは、物を書いたりするもの。
 ゴッドは神様だね」
《まぎらわしいのだ(((\(@v@)/)))》
「ところで、エックハルトはどんな考察をしたの?」
『まずは、神との合一を、そして神性の無を説きました」
「どういうこと?」
『エックハルトは、いいました。
 汝の自己から離れ、神の自己に溶け込め。
 さすれば、汝の自己と神の自己が完全に一つの自己となる。神と共にある汝は、
神がまだ存在しない存在となり、名前無き無なることを理解するであろう。
 と』
「えっと、自我にこだわることなく神と一緒になれってことだよね」
『そうですね。
 自分にこだわることなく、神の自己に溶け込めることで、神の本質を理解できる
とエックハルトは述べたわけです』
「それ、なんか聞いたことあるな。
 そうだ、新プラトン主義じゃない?」
《しんぷがとんでる(; ̄ー ̄)...ン??
 神父さんが飛ぶなんてすごいのだ!!!└( ̄∇ ̄)┘》
 はいはい。
 相変わらず、ものすごい空耳だけど、新プラトン主義だよ、めぐたん。
 たしか、新プラトン主義は、流出説だったよね。
『そうですね。
 新プラトン主義は、、”一者”から、世界は多様化して生じたもので
あると考えた説ですね。
 つまり、この宇宙にあるすべてのものである、万物は、根源的”一者”
から溢れ出したという考え方です。
「それは、キリスト教にとって都合がいい考え方じゃないの?」
『いいえ。
 新プラトン主義はその先があります。
 流出説で流出するものは、ヌースと言いますが、このヌースは、知性や、
精神や、理性であり、イデアを認識するための理性的能力のことです』
「ヌースは、”一者”から最初にあふれるのが、知性であるってことだね」
『その通りです。
 そして、新プラトン主義は、神秘主義の影響をうけ、いつしか神と一体
になることを目的とし始めたのです。
 これが神との合一ですが、誰でもいつでも神との合一ができるとすれば、
キリスト教教会の地位が衰え、教会軽視につながるとみなされ、エックハ
ルトは異端宣告を受けることとなったのです』
 それじゃ、アルデベルチ。 


 
 
 

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