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呟き尾形の哲学講座
第124回 中世哲学 神秘思想
 エックハルト アナロギア 1

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回はエックハルトの何についてなの?」
『今回は、アナロギアについてです』
《ふに、ロギアという花なんて知らないのだ》
 もしかして、花ロギアって聞き間違えた?
《聞き間違えジャなくて、呟き尾形がそーいったのだ》
「それはともかく、アナロギアって何?」
『帰属の類比ですね』
《貴族のルイージって、マリオもルイージも貴族ですらないのだ》
 スーパーマリオブラザーズのやりすぎだね。めぐたん。
『話をもどしましょう。
 14世紀にはじまるとされるルネサンスは、12世紀のカロリ
ングルネサンスにおいて、教父たちの古典古代への関心という形
で現れていました』
「カロリングルネサンスって?」
 8世紀末から9世紀初頭にかけて、フランク王国のカール大帝の宮廷
を中心に行われた古典文化の再興運動だよ、ムーシコス君。
 各地から学者が招かれ、学校なども建てられて中世文化の基礎を築
いたそうだよ。
『そうですね。
 当時の哲学も、体系的な思考から、外的な経験や感覚的な直感をも
とめるようになりました』
「たしかに、今まではなんか、頭の中だけって感じだったものね」
『この時代の流れは、神秘主義の流れをくむ神学にも、内的な経験と
精神的な直感を求める強い欲求になっていきます。
 新プラトン主義の影響をうけたエックハルトの知的神秘主義は、そ
んな背景から生まれたと考えられます』
「その頃の神学ってどんなのだったの?」
『神を存在・一・真・善という純粋で不可分の存在と捉えられていま
した』
≪ふに、そんなんだと、なんか一人一人の人間ってなんだか、ちっぽ
けになるんじゃないのか?≫
『そうですね。
 たしかに、神の被創造物は、神と比較など、無に等しい存在である
と説かれていました』
「だったら、神は生むもの、被造物は生みだされたものってことになる
ね」
『そうですね。
 気の明るさが太陽の光によって左右されるように、被創造物もまた、
神の存在に左右される段階的な存在であるはずであると考えることが
できますから、神と被創造物はアナロギア関係にあるといいえるわけ
です』
「アナロギア、帰属の類比というのがここでやっと出てくるんだね」
『 被造物における善き者などもそれ自体が善いのではなく、善性が
それを生み出したから善いといいえます』
≪よくわからないのだ≫
『では、続きは次回ということで』
 それじゃ、アルデベルチ。 

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