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呟き尾形の哲学講座
第131回 中世哲学 神秘思想 エックハルト
 エックハルトの晩年の思想

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「今回は、エックハルトの何についてなの?」
『今回から、エックハルトの晩年の思想についてお話したいと
思います』
《エックハルトでまんねん?( ̄へ ̄?)ナンデ?
 急に関西弁になったのだ(*・o・)キョトン》
 晩年だよ、めぐたん。
 一生の終わりに近い時期のことだよ。
《え? エックハルトは死んでしまったのか(◎-◎)》
「ま、まぁ、今までの哲学者はみんな亡くなっている哲学者
だったけどね。
 そういえば、エックハルトは、異端思想で宗教裁判にも
かけられていて、
死刑にならなかったのが不思議なくらいの人物だったんだよ
ね」
『そうですね。とくに、エックハルトの晩年の思想は、キリ
スト教からすれば極めて危険思想とい得るものだと言えるで
しょう』
《きけんしそー?( ̄◇||||)エッ?》
『国家や社会の存立・発展・秩序などに害を及ぼすものとみ
なされる思想ですね』
「えっと、危険思想だというのは、誰でもいつでも神との合一
ができるっていうところかな?」
『はい。その通りです。
 もちろん、エックハルトの思想は、 教会の内部の者でさ
え、エックハルトと同じくらい深い瞑想体験をしている者で
あれば、エックハルトの言っていることが真実であることは
理解できたでしょう。
 それだけに、エックハルトを異端思想と弾劾しても、処罰
まではできませんでした。
 しかし、エックハルトのの死後、エックハルトの著作物は焼
かれてしまいました。
 隠し持っていた者は見つかると極刑に処せられるくらい徹底
したものでした。
「うひゃー、きびしいのだ」
『はい。 これだけ厳しい対処がおこなわれたのは、まさに、エッ
クハルトの思想が真理だったということ、つまり、真理の火を
消すことはできなかったということがいえるでしょう』
 書物は焼くことができても、エックハルトの哲学は現代にも
受け継がれているってことだね。シニョール呟き尾形。
『その通りです。エックハルトの言葉は多くの人々の心に繰り
返し、絶えず生まれ続けている。
 そして、エックハルトをわかろうと思えば、言葉や論理では
なく、自分自身で体験するしかないといえるでしょう』
「やってみないとわからないってこと?
 それは哲学っていえるのかな〜」
『 哲学に限らず、何事も、どこかで思考停止するか、開き直っ
てしまうしかない場面に直面します。
 そこで神を持ち出すのもひとつの解決方法といえるでしょう。
 神を持ち出すことで納得できる人は幸いである。 エックハ
ルトは教会の内部にいながらキリスト教徒とは思えないような
ことを説教の中で言っていたそうです。
 もし私が存在していなかったらば、「神」も存在しなかった
であろう。
 神が「神」である原因は私なのである。
 もし私が無かったら、神は「神」でなかったであろう・・・
と』
「それって、神様を創造主とするキリスト教では考えられない
よね」
『そうですね。
 それだけに、エックハルトの思想は、キリスト教にとっては
危険思想だったということですね』
「危険思想とはいわれても、正しいことはもみ消せなかったと
いうことなのかな」
『そうともいえるかもしれません』
 それじゃ、アルデベルチ。 


 



 
 
 

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