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呟き尾形の哲学講座
第136回 中世哲学 神秘思想
クザーヌス 対立の一致 3

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回は、クザーヌスは神との合一について主張したけど、
エックハルトとはまた別な角度だったってはなしだったよね」
『はい。
 まず、エックハルトは、自己から離れ、神の自己に溶けこ
む、文字通り神と一体になることでした』
《へ、変身するんだなO(≧∇≦)O》
『いいえ、エックハルトの哲学においての神との合一は、神
にすべてをゆだねられる存在ということです』
「どう違うの?」
『クザーヌスは、認識の最終段階においては神との合一が可
能である戸考えたわけです。
 これは、高度な認識において、神と同じ視点に立ちうると
考えたわけです』
《ぜんぜん、わからないのだヽ( ? ∀ ? )/》
「えっと、エックハルトは神に身をゆだねるように溶け込ん
で文字通り一体になることを意味するけれど、クザーヌスは
神と同じ視点に立てるということ?」
『大雑把にいえば、そんなところだといえるでしょうね。
 では、神と同じ視点というのはどういうことでしょうか?』
「う〜ん、ちょっと想像つかないなぁ」
『クザーヌスによれば、神は無限者であり、無限の神にお
いては、あらゆる差別、対立、矛盾は消失し、一致すると
言われています』
 それはどうして? 
 シニョール呟き尾形
『神は大小の有限な差別を超えた絶対的最大者であり、従っ
て、最大であると同時に最小であると考えられました』
《( ̄◇||||)エッ?
 おっきくて、ちいさいなんておかしくないか?》
 それは、あくまで人間の認識においてってところじゃな
いかな、めぐたん。
『そうですね。
 神の認識は、人間の理性以上の知とも言うべき、無知の
知によってなしうるとクザーヌスは考えました。
 そして、すべてを包括する神の本質が、空間と時間のう
ちに展開したものが世界であるとしたうえで、世界は空間
的にも、時間的にも無限だとクザーヌスは主張します』
「えっと、神様って世界の中心ってことじゃないよね」
『はい。この無限というのは、どこかに不動の中心を持つ
ものではありません。
 それゆえ、あらゆる場所が中心であると同時に周辺とな
るわけです』
《ふに〜クラ(((((◎。◎ゞ)))))クラ
 さっきとでっかくてちいさいのと同じなのだ(@◇@;) 
 だいたい、大きさとか中心とかないみたいじゃない
か(`皿´)ムキー!》
『そのとおりです』
《そ、そうなのか(*・o・)キョトン》
『そもそも、世界が世界の中心に制していることはあり
えないとクザーヌスは考えました』
「あ、そうか。
 世界が中心に静止していることはありえないってこと
だね」
『そのとおりです。
 私たちは、この地球の大地に止まって立っていると思っ
ていても、地球は自転や公転をしているので、常に動い
ているのです。
 つまり、世界は神の展開であるから、世界の各事物も、
それぞれの仕方で神の表現であるとクザーヌスは考えた
のです』
「なんだか、すごい近代的だよね」
『はい。それゆえ、クザーヌスの思索は中世の混沌のな
かから近代的思考を準備したと高く評価されています。
 さて、クザーヌスについては、以上です』
《ということは、次回はまた、オチこぼれ占い師のまと
めだな(* ̄▽ ̄*)》 
 それじゃ、アルデベルチ。 。 
 

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