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呟き尾形の哲学講座 
第139回 中世哲学 ルネッサンスの人文思想
マキャベリのあゆみ 2

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回は、マキャベリのあゆみだったけれど、続きがあるん
だよね?」
『そうですね。
 マキャヴェッリは、外交官としての経験と考察から、国の根
源は、当時の主流だった職業軍人としての傭兵に拠らない軍事
力にあると確信し、国民軍の創設を計画しました。
 このマキャベリの計画に、貴族や富裕層の中には国民軍創設
に反対する者もいたが、その企画は実現します』
《おお、なんかすごいのだ(○0○)》
『しかし、国民軍は期待された成果を挙げることなく、スペイン
の前に屈服し、マキャヴェッリは第二書記局長の職を解かれまし
た』
《ふに、残念だったのだ(|||´Д`)3 》
『マキャベリの試練は続きます。ボスコリ事件という、当時の
権力者メディチ家殺害しようとした陰謀事件に連座したマキャ
ヴェッリは、莫大な罰金を科せられて一時拘束されたのです』
《ボコスカ事件なんて、なんて乱暴な凸(▽皿▽#) 。
 それにしても、メディカルチェックって、お医者さんのこと
か?( ̄、 ̄?)ハテナ?》
 ボスコリ事件事件だよ。
 メディチ家嫌いで有名パオロ・ボスコリが首謀者なんだけど、
この若者がもっていた紙に共謀者とおもわれる人の名前が20人
くらいあって、この陰謀がばれて、死刑にされたっていう事件だ
よ。めぐたん。
「ちょっとまって、まさか、マキャベリも陰謀に加担したの?」
『いいえ。
 ボスコリは、メディチ家の男たちをころし、暴政からフィレン
ツェを救う目的であったと自白しましたが、列記された人名は、
陰謀加担者ではなく、加担者になりうる人々の名前であるにす
ぎないといわれていたので、違うでしょうね』
《とばっちりってこと?(; ̄ー ̄)...ン?》
『そうでしょうね。
 激しい拷問を受けた後に釈放されたマキャヴェッリは、自らの
領地にある山荘に隠棲し、その時の執筆活動は政治・歴史・軍事
から劇作までに及び、彼の喜劇は大好評を博し著作家としての名
声を得ました。
 マキャベリは、独裁的なメディチ家が君臨する新政権下への就
職活動を模索するようになり、その後、ロレンツォ・デ・メディ
チが就任すると、マキャヴリに謁見の機会が与えられ、謁見の場
でマキャヴリがロレンツォ・デ・メディチに献上したのが、マキャ
ベリの代表作である君主論です。
 君主論には、理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治は
宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な
政治理論を創始されたといわれています。
 ロレンツォ・デ・メディチに献上された君主論には、君主たる
ものがいかにして権力を維持し、政治を安定させるか、という政
治手法が書き記されていました。
 メディチ家政権下で顧問的に用いられました。
 マキャヴェッリは、私は我が魂よりも、我が祖国を愛すると愛
国者を自認、いつでもフィレンツェのために役立ちたいと公言し
ていたそうです。
 そんななか、ローマ略奪でメディチ家がフィレンツェから追放
されると、マキャベリもまた政権から追放されるはめになりまし
た』
「なんか、厳しい感じがするね」
『それだけ、政治と言うのはシビアで現実を直視しなければ
いけなかったということでしょうね。
 このような君主論を書いたマキャベリですが、意外にも、マキャ
ベリ自身は、陽気でお喋りで、飲む・打つ・買うが大好き、また良
き夫、良き父親、仕事好きでめげない人物だったと言われていま
す。
 ただし、君主論のリアリズムは、現代の政治にも通用する
政治哲学が記されていたともいえるでしょう。
 追放後、マキャベリは、一貫した共和制支持派からは、メディチ
家に擦り寄った裏切り者、ある者からは目的のためには手段を選ば
ない狡猾者と非難され、失意のうちに病を得て急死してしまいまし
た』
《ぐすん、なんだかかわいそうなのだ(ノ△T)グスン》
 それじゃ、アルデベルチ。

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