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呟き尾形の哲学講座 
第140回 中世哲学 ルネッサンスの人文思想
 マキャベリの理論

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回は、マキャベリのあゆみだったけれど、マキャベリは
どんな哲学をもっていたの?」
『それでは、マキャベリのもっていた理論についてお話
しましょう。マキャベリは、フォルトゥーナとヴィルトゥ
という概念を用いました』
《フルートとビオラ?・・・(;¬_¬)
 マキャベリは音楽家だったのか(ΦωΦ)》
 フルートじゃなくて、フォルトゥーナ。運命って意味だね。
 ビオラじゃなくてヴィルトゥ、技量ってところかな。
 めぐたん。
「運命と技量ってどう関係があるの?」
『マキャベリは、国家のあるじたる君主には、フォルトゥーナ、
運命を引き寄せるためには、それだけの、ヴィルトゥ、技量が
必要だと主張しました』
「それって、当たり前のことに聞こえるんだけど」
『現代においてはそうかもしれませんが、マキャベリの生きていた
時代である中世のせかいでは、国家を政治的な観点で議論される
ことは稀でした』
《国といえば政治じゃないのか?ε-(( ̄、 ̄A)フゥ−》
『中世の議リスト今日の世界では、国家とは神の遺志の現れで
あるという考えが根付いていて、国家は神学という観点から論じ
られていました』
「なんだか、ちょっとびっくりだね」
『政教分離の原則をもつ国の日本で教育を受けた人には違和感を
感じるかもしれませんが、逆に、中世の世界では、政治と宗教は
非常に関係の深いものでした。
 これまでの中世の哲学の基盤は、神学が主に語られていたよう
に、国家もまた同じ観点だということです。
 そんな中、マキャベリは、神学的な見方から抜け出し、国家や
君主のありかたを道徳や倫理といういったことから切り離すべき
だと論じたのです』
《ふに、なんで、マキャベリはいままでと違う見方をしたの
だ?( ̄、 ̄?)ハテナ?》
 一番の理由は、マキャベリの母国のイタリアの政治的な混乱が
あるよ。めぐたん。
『そうですね。混乱するイタリアにあって、国を治めるためには、
キリスト教的な道徳や倫理よりも、いわゆる武力がものをいわせ
ました。
 ですから、マキャベリは、自国軍創設や深謀遠慮の重要性を故
事を引き合いに出して説いています。
 特に、マキャヴェッリは君主論の中で、混乱するイタリアにあっ
て国を治めるために、理想の君主チェーザレ・ボルジアを例示し
て、イタリア半島統一を実現しうる君主像を論じました』
《おお、チェザーチーズにボルシチかぁ(-""-;)ムム・・・
 多国籍料理だな(@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪ 》
 チェーザレ・ボルジアだよ、めぐたん。
 イタリアルネサンス期の軍人・政治家だけど、チェーザレは
ユリウス・カエサルのカエサルのイタリア語の読みなんだよね。
「その、チェーザレ・ボルジアってどんな人だったの?」
『チェーザレ・ボルジアは、自らの野望の為に、父親の教皇の
権力を最大限に活用して、北イタリアのロマーニャ地方から、
トスカーナまでを侵略した軍事と政略の天才です。
 ただ、その手段は冷酷で、南イタリアのナポリでは虐殺と
略奪ったり、同盟さえ反故にして侵略し、部下を殺してで自分
の保身をはかるなど悪名をはせています』
《なんだか、お手本にするには悪い人だとおもうの
だ(◎_◎;)》
『そうともいえますね。
 ただ、キャベリは君主の権力は、けっして神の意志な
のではなく、君主自身のきわめて個人的な意思や行動に
よるものだとしたわけです。
 当時の中世の国家の秩序の維持や外敵からの侵入を防
ぐために、君主は統治の技術にたけているべきだとマキャ
ベリは冷徹に君主論で説いたのです。
 それじゃ、アルデベルチ。

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