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呟き尾形の哲学講座 
第143回 近世哲学 協会の束縛からの解放

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回はマキャベリのまとめだったけれど今回から新しい
哲学者なのかな?」
『今回から、中世哲学から近世哲学なるので、中世哲学の
概要のお話をしたいと思います』
《金星って一番星のことか?(Θ_Θ;)》
 金星が一番星というのは、正しいけれども、シニョール呟き尾形
がいったのは、近世哲学というのは、、中世の後に区分されて、
だいたい16世紀から20世紀までの哲学のことだよ。めぐたん。
「中世哲学と近世哲学の大きな違いは何なの?」
『中世哲学は神学が根本になっていましたが、近世哲学は論理や
自身の経験といったところでしょうか』
「当たり前かもしれないけれど、より現代にちかづいたということ
だね」
『そうですね。
 さて、ルネサンスによって、人々は中世の神学から時はなれる
ことになりました。
 中世哲学は、神が正しさを保証していましたが、近世哲学が、
神学から解き放たれるということは、近世哲学は、神以外の根拠が
必要になることを意味します』
「それは、中世神学が間違っていたってこと?」
『いいえ、中世神学が間違いだったというよりも、中世神学がかけた
制限が、近世の人々の知的な希求や好奇心がまさり、哲学を
進める上で、中世的な秩序が崩壊したのです』
《むむ、むずかしーのだ┐('〜`;)┌》
『中世哲学は、キリスト教が前提でしたが、キリスト教がかけた
制限から逃れようとする人々がいて、ギリシア・ローマ古典文化
の復興を図る人文主義運動が生まれました』
 いわゆるルネサンスだね、シニョール呟き尾形。
『そうですね。
 ルネサンスによって、中世神学は衰退していきます』
《スネザンス? 足のことか?(*・o・)キョトン》
 ルネサンスだよ、めぐたん。
 もともとは、再生と言う意味で、14世紀イタリアにではじまって、
16世紀までに全欧州に展開した学問上・芸術上の革新運動だね。
 ルネサンスは、主に人間性の解放と個性の尊重を主張したんだよ。
『ルネサンスの影響は政治はもちろん、社会や宗教など多方面に及
び、欧州近代文化の基礎となったといえるでしょう。
 実際、そのころの観察や実験によって宇宙を探求する人々は、教会
の権威に依拠するアリストテレス自然学のまちがいを指摘していきま
す』
「たしかに、アリストテレスの自然学は、現代科学からみると間違って
いることがあるものね」
『そうですね。
 ルネサンスの時期は、宗教改革の時期ですが、ルターらの宗教改革
は経済的に困窮したドイツ地域の農民などの支持をあつめました。
 これは、カトリック教会の動揺に拍車をかけました。
 そして、ガリレイ、ニュートンらによって、遂行された科学革命は、
哲学に対して欠いた思弁ではなく、明晰な理論の体系になることを求
めたのです。
 特に、ガリレイは、計れるものは計るべきだ、計れないものは計れ
るようにすべきだと主張し、科学的な観察は精確な数学とという言語
で表現することが大切だということが強調されました。
 近代哲学は、このような要請に応えて、デカルトらの合理主義、イ
ギリスの経験論、ドイツの観念論に受け継がれていきます。
 こうして、近代という哲学のターニングポイントでもあったといえ
るでしょう』
 それじゃ、アルデベルチ。

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