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呟き尾形の哲学講座 
第146回 近世哲学 モンテーニュ エセー

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回はモンテーニュのあゆみだったよね」
『そうですね。
 まず、モンテーニュは、随筆録をエッセイと最初になずけ
ました』
《エッセンス?
 もんてーにゅはコックさんだったのか?》
 エッセイだよ、めぐたん。
 エッセイというのは、一般に各自の感想や見聞、体験などの
意見を自由な形式で述べた散文だね。
 随筆ともよばれているね。
「じゃぁ、モンテーニュがエッセイを書くまで、エッセイはな
かったの?」
『いいえ。ヨーロッパでは、もともとローマ以来の随筆録の伝
統は存在しました。
 その随筆六をエッセイと名付けたのがモンテーニュが最初で
した』
「モンテーニュはどんなエッセイを書いたの?」
『モンテーニュは1580年から1581年にかけてフランス、ドイツ、
オーストリア、スイスを経てイタリアに旅し、さまざまなエピ
ソードや都市ごとの宗教的な違いを詳細に記しました。
 エセーは、体系的な哲学書ではなく、自分自身の経験や古典
の引用を元にした考察を語っています』
《ふに、ところで、エセーはどんな意味なの
だ?( ̄_ ̄?)ハテナ?》
 エセーはフランス語で、試みという意味だね、めぐたん。
『モンテーニュは、エセーを折に触れて書きとどめた個人的な
考察を、知的実験の報告と位置付けました』
「でも、どうして、モンテーニュのエセーが有名になったの?」
『モンテーニュのエセーが注目された理由は、大きく二つある
といわれています。
 一つは、当時の時代背景がかかわってきますが、ユグノー戦
争です。
 もう一つは、ルネサンスや交通の発達などにより、人々は自
分の価値観を見直す必要に迫られていたこがあげられます』
《イグアナ清掃? イグアナがお掃除するのか?》
 ユグノー戦争だよ、めぐたん。
 1562年より98年にかけてフランスに起こったカトリック派と
プロテスタント派の武力抗争のことで、当時フランスのカルバ
ン派は、カトリックからユグノーと呼ばれていたことからユグ
ノー戦争だと呼ばれていたんだね。
「カトリック派とプロテスタント派の武力抗争だから、宗教戦
争だね。
 でも、これまでの哲学って、キリスト教が根付いていたよね」
『はい。そのとおりです。
 ユグノー戦争という宗教戦争は、当時のヨーロッパの価値基
準の根幹であるキリスト教のカトリック派とプロテスタント派
が武力戦争することによって、人々の価値観が揺らぐのに加え、
そうした中で寛容の精神に立ち、正義を振りかざしても、多く
の人は信頼はできなかったのです。
 そんななか、モンテーニュのエセーが注目されたわけです。
 モンテーニュのエセーは、プラトン、アリストテレス、プル
タルコス、セネカなど古典古代の文献からの引用が多く、聖書
からの引用はほとんどない点が当時としては、特徴といえるで
しょう。
 また、後の哲学者、17世紀のデカルトやパスカルにも多大な
影響を与えたそうです』
 それじゃ、アルデベルチ。

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