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呟き尾形の哲学講座 
第150回 近世哲学 パスカルのあゆみ 02

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回はパスカルについてだったよね」
『はい。
 では、続きに入りましょう。
 パスカルは、ジャンセニスムに入信ししました』
《ジャングルジム?U^エ^U》
 ジャンセニスムだよ、めぐたん。
 ジャングルジムは、公園などにある、金属管を縦・横に一
定の間隔で組み上げてつくった、児童用の遊具のことだよ。
「でも、ジャンセニスムって何?」
『ジャンセニスムは17世紀以降流行し、カトリック教会によっ
て異端的とされたキリスト教思想です。
 その思想は神の恩寵について弁護する論を展開しつつ、
人間の意志の力を軽視し、腐敗した人間本性の罪深さを強調
しました』
《むむ、なんだか偏った考えじゃないか?・・・(;¬_¬)》
『そうですね。
 キリスト教カトリックのなかでももっとも禁欲的な一派と
いわれていますし、多くの批判をうけましたが、パスカルは
匿名で、イエズス会のたるんでしまっていた道徳観を避難す
ることで反論しました。
 それだけに、当時は広く議論が巻き起こっていきます。
 また、パスカルは、キリスト教を擁護する書物の執筆に
着手しました。
 そのために、書物の内容についてのノートや、様々な思
索のメモ書きを多数記しました。
 しかし、そのころのパスカルは、体調を崩しており、そ
の書物を自力で完成させることができなかったそうです。
 その後、パスカルは乗合馬車の創業6ヶ月後に、体調がい
よいよ悪化し、死去し、39年の生涯を閉じました』
「じゃぁ、それは誰の目にもふれなかったの?」
『いいえ。
 パスカルの死後、その当時のノート、メモ類は、パスカ
ルの死後整理され、パンセとして出版されることになり、
そこに残された深い思索の痕跡が、後々まで人々の思想に
大きな影響を与え続けることになりました。
 ちなみに、パスカルが病床で着ていた着物の襟の中に、
短い文書が縫い込められ、隠されているのが発見されまし
た』
《ふに、なんてかいてあったのだ?(; ̄ー ̄)...ン?》
『そこに書かれていたのは、彼自身が以前に体験した、
回心と呼ばれる宗教的な出来事だったそうです』
「回心って何?」
『神に背いている自らの罪を認め、神に立ち返る個人
的な信仰体験のことを指します。
 ともあれ、39歳という若さで生涯をとじたパスカ
ルですが、パスカルの実績は、正に“天才”と称する
に相応しい人物だといえるでしょう』
 それじゃ、アルデベルチ。


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