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呟き尾形の哲学講座 
第153回 近世哲学 パスカル 人間は考える葦である 3

 

 

 

 

 

 

 

登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人


★★★
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(*⌒〜⌒*)/》
『こんにちわ。呟き尾形です』
「前回は、人間は考える葦であるについてだったよね」
『はい。葦は嵐などで、強い風にあたると、そのままに倒され、
根元から折れてしまいます』
《大木はおれちゃうんだったのだな(* ̄▽ ̄*)》
『はい。大木に対して、賢明に自らの分を知る「葦」は、風が
吹くとそれに身をまかせてしなります。
 葦は、逆境のなかで、少しの風が吹くとしなり、風の前屈し
て曲がるが、風が去ると、また元のように立ち上がります』
「そっか、無駄に逆らわないって意味だね」
『それもありますね。
 人間もまた、風のように、自然や運命の前に無力ですが、
それを受容し、従順に従い、自然や運命を試練として乗り越
えることで、元のように、みずからの姿で立ち上がるという
ことは、一見弱いと見えることは、じつは柔軟性があり、ど
んな試練にも屈しないことを意味します』
「なるほどね。
 つまり、人間は考えることができることで、よわよわしい
葦のように、襲って来る風に身をまかせるような思索した精神
を持っているということなんだね」
『はい、その通りです。
 パスカルは、人間とは、宿命に従順にならざるをえないが、
精神面で、宿命に抵抗し、不屈の意志で、思索することで、宿命
や自然の暴威を乗り越える自由な存在なのだという意味だとも
言い得るでしょう』
「えっと、つまりは、一見、風に負けてしまっているようだけれ
ども、決して折れずに風がやめばまたもとにもどる強さと人の
思考のすごさを重ねているってことかな?」
『そうですね。
 パスカルは、人が自然の力、暴威として、力を無自覚に揮う
風にくらべて、遙かに賢明で、優れた存在であるということを、
人間は考える葦であるという言葉で表現したのだと考えられま
す』
 それじゃ、アルデベルチ。
★★★


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