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呟き尾形の哲学講座
 200号  近世哲学 スピノザ あゆみ 2

 

 

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登場人物紹介
『呟き尾形』:講師・・・のはず
クニークルス:奇妙な物言うウサギ。生徒のはず
「ムーシコス」:音楽の好きな少年。生徒。
《めぐたん》:魔女ッ娘。生徒
【フォルス・テッセラ】:オチこぼれ占い師
※各台詞は、名前を囲んでいる括弧の人



★★★
『こんにちは。呟き尾形です』
「こんにちわ。呟き尾形の哲学講座の生徒のムーシコスです」
 こんにちわ。同じく、生徒のはず・・・のクニークルスだよ。
《こんにちわ。ゲストのめぐたんなのだ(v^ー゜)》
「前回から、スピノザの哲学になったんだよね」
『はい。
 スピノザの汎神論は唯物論的な一元論であることから、神を
信仰する神学者でありながら、無神論者のレッテルを貼られ
異端視されてしまいました』
《スピノザは痛かったのか?( ̄□||||!! エッ…?》
 異端視だよ、めぐたん。
 正統から外れているとみなされることだね。
「当時のキリスト教の正統とされる解釈とは違うってことだったら、
別に追放されることなかったんじゃない?」
『スピノザの汎神論の説得力は、当時の正しいとされるキリスト教の
聖書の解釈よりも上回ったということですね。
 さて、スピノザの汎神論は唯物論的な一元論でもあり、後
世の無神論や唯物論に強い影響を与え、または思想的準備の役
割を果たしたといわれています。
 生前のスピノザ自身も、神を信仰する神学者でありながら、
無神論者のレッテルを貼られ異端視され、批判を浴びていまし
た』
「追放されるくらいだものね」
『そうですね。
 スピノザは、プファルツ選帝侯からハイデルベルク大学教
授に招かれましたが、思索の自由が却って脅かされることを
恐れたスピノザは、これを辞退しました』
《ふに、追放されたり、異端視されたりしているのに、
大学教授に招かれるって、すごく優秀な人だったんだ
なぁ(人´∀`).☆.。.:*・゚》
『そうですね。
 スピノザは高い評価を受ける一方で、神学・政治論が禁
書となってしまいます。
 この影響で翌1675年にエチカを完成させたものの、出版を
断念しています。
 エチカは、スピノザの思想の総括と言えるでしょう。
 ただ、このエチカは、執筆には15年の歳月をかけていまし
たが、生前出版されることは在りませんでした』
「それは、信仰を批判するような著書とかはだめとか、思
想の自由が妨げられていたってこと?」
『スピノザが生きている間はそうだといえますが、それよ
りもスピノザは、肺の病を患っていたため、エチカを完成
させた翌年スヘーフェニンヘンで44歳の短い生涯を終えた
からです』
《むむむ、美人薄命ってやつだな( -"-).。o0》
 才子短命だね。
『スピノザの能力は評価されつつも、当時のキリスト教社
会にはスピノザの哲学が受け入れられなかったのは、その
遺骨はその後廃棄され墓は失われたということから読み取
れます』
「なんか、キリスト教社会で神様の批判する人へのやること
って熾烈だよね」
《ところで、エチカは出版されなかったのか?(´-ω-`)。oO》
 出版されていなかったら、その存在がわかるわけないで
しょ。めぐたん。
『エチカは、スピノザ没後友人により1677年に刊行されて
います』
「その友人も命がけだったんじゃないかなぁ」
『スピノザは、デカルトを追って、哲学を、数学を範とし
て、従来の乱雑性から脱出させようとした哲学者の一人と
言われています』
《おお、デカルト(*≧ε≦*)ノ彡》
 聞いたことのある哲学者の名前がでて興奮してるね、
めぐたん。
『ですから、スピノザの哲学は、デカルトの哲学の影響を
強く受けています。
 スピノザは、真の論理的徹底を実現した哲学者でもあり、
幾何学的順序に従って証明した倫理学でも有名です。
 スピノザの哲学は、デカルトにおける物体と精神の二
元論に対して、唯一無限である実体=神を想定し、この
神はキリスト教的人格神ではなく、自然そのものであり、
自然は、物質である。とする汎神論的一元論を唱えまし
た』
「でも、キリスト教の神様って、人格があるよね」
『そうですね。だからこそ、当時のキリスト教社会は、
スピノザの哲学を異端視したわけです。
 それも、スピノザの哲学は幾何学的順序にしたがって、
それこそ、理路整然と説明されたわけですから。
 こうして、一種の数学的合理主義による機械的唯物論に
傾き、スピノザは、無神論として白ぞけられたが、100
年後のドイツ観念論に影響を与え他と言われています』
 それじゃ、アルデベルチ。
 
★★★


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