ボォン ジョルノ、こんにちわ。クニークルスです。
「こんにちわ。みなさん。ムーシコスです」
『ごぶさたしました、呟き尾形です』
「さて、今回は台詞の書き方のコツを紹介します」
でも、描写や説明はなんというか、こう書けば良い的な型があるけれど、
台詞はなかなかそういったものがあるような、ないような感じだね。
『そうですね、むしろ、台詞は、臨機応変さがもっとも求められ、それが
故に、決まった型がない。というのが私の持論です』
「それじゃ、書き方のコツなんて紹介できないんじゃない?」
『そうですね。
でも、なんと言うのでしょう。こんなことに気をつけると、良い。
というのは紹介できると思いますよ』
たとえば何かな?
『そうですね。台詞の目的は、登場人物の個性、思想、信念、価値観、考
え方が表現すること。と考えると判ると思います』
「じゃぁ、なんっていうのかな。
台詞だからといって、雑談じゃない。ってこと?」
『はい。後日、小説とは何か?
ということは、紹介していきますが、小説を書く以上、小説のパーツは
無駄なものがあっては不合理なだけではなく、読者に読む気持ちを減退さ
せます。
これも後で触れますが、小説にはリアリティーが必要で、自然な会話だ
と読者に感じさせる必要はありますが、だからといって、自然な会話は、
常に脈絡があるとは限りません。
つまり、無駄な会話であるというわけです』
まさしく、無駄話は小説の中ではいらない。ってことだね。
「じゃぁ、小説の中では、無駄話をしちゃいけないのかなぁ?」
そうなんじゃない?
『いいえ、無駄話の中に、なにか目的があれば、そんな事はありません。
ただ、小説の台詞は会話という形式をとって、台詞という登場人物の
言葉を借りて何かを読者に伝える手段です』
説明とは、読者に良く分かるように述べることであり、解き明かして教
えること。描写は、小説の場面を読者に想像してもらうこと。
というように、説明というのは、登場人物の言葉を通して、何かを読者
に伝えることなんだね
「なんだか、クニークルス君は珍しく復習してきたんだね」
冬眠中はやることがないからね。
『まぁ、そんなわけで、小説のパーツとしての台詞は、必ずしも、自然な
会話である必要はありません。
また、それぞれの台詞には、登場人物が台詞として言葉を口にする、一
種の必然性が必要です』
「必然性?」
『分かりやすく言うなら、その登場人物らしさ。ですね』
あ、なんかわかるなぁ。それ。
ボクみたいに、理論的な登場人物なら、こんな風に理論的な台詞はいえ
るけど、シニョールムーシコス君のように、疑問屋さんの台詞はいつも、
質問になることが多いってわけだね。
『クニークルス、君が理論的かどうかは、別として、冷静沈着な人なら、
冷静沈着な台詞が出てくるだろうし、いつも感情的な行動をとる登場人
物なら、感嘆詞とか言葉よりも行動で物事を示すことが多いです』
「なんだか、むずかしいね」
『そうですね。こればかりは、ちょっとした慣れが必要なんでしょうね。
ただ、気をつけていただきたいのは、型を決めてしまうのではなく、
臨機応変な使い方をする。ということです』
まさに、台詞の強みだね。
ただ、その臨機応変な中にも登場人物ごとにパターンを作れれば、さら
に良い小説なんじゃない?
『そうですね』
とりあえず、呟き尾形他、実際、小説を書いている人達と話をしていた
ら下記のようなことに気をつけているようだよ。
・一人称に個性を与える。
・適切な言語をつかって、台詞を書く。
・方言や外国語を使い登場人物の個性を引き出す。
・登場人物毎に台詞の癖をつける。
・会話の空気を出すようにする(早口なのか、のんびりなのか)
・「・・・」の乱用はしない。
・会話文と思考文を明確に分ける。
・登場人物が使わないような言葉は台詞に使わない。
・助動詞の使い方を登場人物ごとに使い分ける。
・台詞と台詞に連携を取らせ、会話の雰囲気を出す。
・年齢によって使い分ける。
・性別によって使い分ける。
・方言を使う。
・台詞に感情を盛り込む。
「わぁ、いっぱいだね」
『それだけ、台詞には幅を持たせることができる。ってことですね。
もちろん、これ。という方法はありません。
ただ、共通しているのは、台詞によって、登場人物の個性をはっきり
させようとしている目的がある。ということですね』
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