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小説を書こう!
第39回
 投稿小説 夏の続き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★
 ボォン ジョルノ、こんにちわ。クニークルスです。
「こんにちわ。みなさん。ムーシコスです」
『こんにちわ。呟き尾形です

「今回は、さて、投稿小説がありましたので、今回は、投稿小説を
掲載します。今回読みきりで、ジャンルは童話」
 表現技法の紹介 については、ちょっとお休みです。
 読者からの要望があれば、シニョール呟き尾形の重い腰もあがるかもしれない
けれど、現在はマイペースみたいだね。
『重い腰は余計です』
「まぁ、まぁ、
 それより、今回、投稿していただいた方は、小説を書こうでは、初めて投稿
していただけた、メロスさん。
 タイトルは”夏の続き”」
 それじゃ、はじまりはじまりぃ〜。



作者名:メロス

ジャンル:童話

メールアドレス:非公開

題名:夏の続き



いつからだろうか?毎年夏が来るのが楽しみだった。夏の夜空には何千、何万

もの星が輝くからだ。家族でキャンプに来ていた少年はキャンプの最終日に一

人青草のベッドに横たわると早速、虫達のオーケストラが聞こえてきた。少年

は今までのどんな音楽よりもそれが素晴らしいと思った。少しすると太陽の光

を吸い込んだ青草と大地の匂いが互いを確かめるように交じり合う。少年は時

間も忘れて彼らとの対話を楽しんだ。「今日の席は特等席だ。」と、空に向か

って呟いてみるとさっきまで明るかった空は段々とオレンジにその色を変えて

いった。星が現れるまでのんびりと過ごすこの時間が好きだった。映画館で映

画が始まるのを待っている時のドキドキした気持ちによく似ているなぁと思っ

た。虫たちの演奏が騒がしかった。「この鳴き声はコウロギだろうか。それと

もキリギリスだろうか?音楽はジャズかな?クラシックかな?」

虫たちの音が様々な楽器に思えた。少年がリクエストをするとそれに答える

かのように演奏を変えてくれた。レパートリーは無限とも思えるほどだ。

もうどれくらい時間が過ぎただろう。少年は意識が遠のいて行くのを感じ、と

うとう眠ってしまった。



誰かに揺さぶられるのを感じ少年は目を覚ました。「おう、起きたか?」

ふと隣を見るとお父さんが自分の肩を揺すっていた。

外はすっかり暗くなっており、そっと空を見上げると小さな小さな星たちの一

つ一つが精一杯に輝いていた。もう草の匂いはしなかった。静かな静寂の中、

虫たちの音楽だけが流れていた。

「クラシックかなぁ」というと、お父さんが「ポップスだろう」と答える。不

思議に思った少年は「歌詞はどこにあるの?」とたずねた。

するとお父さんの手はスッと空を指差した。見ると不思議なことに、空に散ら

ばる星たちが素晴らしい詩を書いている。真っ暗な空には堂々と輝く星たちの

創った詩があり。それはどんな素晴らしい詩人の書いたものよりも美しい表現

であった。歌は虫たちによってやさしく歌われた。少年は星を見つめながらお

父さんに言った。「いい歌だね」するとお父さんは「ああ。」と頷いた。

美しい星たちの音楽の中に自分も熔けてしまいたいと思った。しばらくしてお

父さんが「そろそろ帰るぞ。」と言った。

少年が立ち上がろうとしない様子を見て少年の隣に座りなおした「そろそろ夏

も終わりだな。星はまた来年だ。」僕はしぶしぶ立ち上がりお父さんと車に荷

物を詰め込んだ。お母さんも乗り込むとお父さんが車を発進させた。帰りの車

でも空の星を見続けていると、「今日は映画でも観ていくか」とお父さんが言

ってくれたので嬉しくなった。少年はレイトショウの映画が始まるまでの時

間を待ちながら至福の時に包まれながら夏の続きを夢見ていた。





あとがき:初めての投稿です。よろしくお願いします。


★★★
「何気ない、普通の風景なのに、キャンプの夏の星空って、なんだかロマン
チックだね。主人公のお父さんも、いいお父さんだし」
 粋なお父さん。って感じだよね。
『そうですね。キャンプを通して自然の美しさがかもし出される情景が目に
浮かぶ小説で、読んでいて、自然のシンフォニーに立ち会ったように感じます』
 というわけで。それじゃぁ、アルデベルチ。

 



 




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